ワープロ専用機・電動(電子)タイプライタ
ワープロ専用機は、勤務校では事務室備品としてSHARPの書院が導入された。その後数年で、教員用(職員室)にも書院、東芝のRUPOが入った。書院が事務室に入って数年後、NECの98シリーズが学校現場に姿を現した。1980年代半ばから90年代初めまでは、しばらくMS-DOSの時代。この間はワープロ専用機とワープロソフト(一太郎、松、その他諸々)の併存期である。その後、Windows PCが導入されたが、予算の問題もあり一度に置き換えられた訳ではない。MS-DOS環境と、ワープロ専用機は残った。
勤務校で最後まで生き残っていたのは、東芝のRUPOというワープロ専用機だった。RUPOは2000年ごろに生産が止まり、文書データで学校でどうしても残さなくちゃいけないものを、コンバータで一太郎ファイル化した記憶がある。専用機は故障、消耗品の生産中止に伴い徐々に姿を消した。廃棄処分になっていないものも、ひょっとしたら倉庫にあるかもしれない。でも僕たちの目に触れることはない。
・・・なんだかトイ・ストーリーのおもちゃたちのようだ。
電動(電子)タイプライタも、ほぼ同時期に英語科(の備品リスト)から消えていった。トライアンフ、オリベッティーのプラクシスが初任校には複数台あった。これらも98が学校に入ると同時に、使われなくなり姿を消していった。2校目の勤務校では、教科備品としてワープロ専用機ではなく、98で「一太郎」・「duet」+プリンタを選んだ。キーボードと英語の先生は親和性が高いから、ワープロ専用機でも、PCでもストレスはあまり変わりがなかったのかもしれない。予算面でも、英語科だけ特別なものを買ってもらうより、PCの方が通りやすかった。
現在職場で使われているのは、ほぼ100%Windows PC上のMSワード、ジャストシステムの一太郎だけだ。
ワープロソフト
では、ワープロソフトが消えないかというと、これも現在のように、個々のPCにワープロソフトをインストールして使う形では残らないかもしれない。
ワープロソフト。現在はワード・一太郎の2種しか存在しない状態である。以前はこれら以外でも、一太郎と同じ会社の英日ワープロソフトのduet、WordStar、WordPerfect等が存在した。ワードも一太郎も激烈な競争を生き残った勝ち組アプリケーションではあるが、パッケージソフトとしてこれからも存在できるかはわからない。
現在職員に一人一台貸与されている業務用PC。これがここ数年で更新になる。業務端末ならば、HDDは不必要だ。サーバー容量、セキュリティーを考えれば、LANもあるのだし個別のPCにデータスペースはいらない。アプリケーションもいらないだろう。いずれクラウド化される。そうなれば個々のPCにワープロソフト他、アプリケーションソフトをインストールして使うこともなくなる。そんな時代が確実に来るはずだ。その時クラウドで使う文書管理ソフトは何になるか。少なくとも今のような使われ方、買われ方はもうされないだろう。
追加
前回のエントリで学校で使われる紙のことを取り上げた。今回ワープロ専用機についていろいろ書いていて、紙の種類がもう一つあったことを思い出した。感熱紙である。消えたことすら忘れられていた、かわいそうな感熱紙さんである。『老兵は死なず。。。』なのかもしれない。
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2013.05.20、「学校からなくなったもの」