「あの人とは、友達以上、恋人未満関係やねん」
などと言いながら、いつまで経っても結婚しない人々が多いのが昨今の日本の社会事情。
私もかつてそんなひとりだったのだが、その「◯◯以上、〇〇未満」という言葉に「中途半端な関係だ」という意味合いが含まれていることには、あえて誰も踏み込まない。
一種のアンタッチャブルになっているのだ。
今デジタルカメラ業界はミラーレス一眼カメラが話題になっているが、これこそ「コンデジ以上、デジイチ未満」という中途半端なコンセプトになっているのだが、これについても誰も深く踏み込まないところを考えると、一種のアンタッチャブルになっているのかも分からない。
今売れ筋だし。
根本的なところを突かれるのはメーカーも販売店も誰も望んでいないことなのだろう。
で、このミラーレス一眼カメラの何が中途半端かというと、コンセプトが中途半端な上に、撮像素子のサイズが中途半端なのだ。
先週発表になっていきなり話題をさらっているカメラにニコンのNikon 1というミラーレスカメラがある。
このカメラはNikonユーザーの私からみても、なんとなく中途半端。
ミラーレス一眼というからには、一般的なデジイチと同等の機能がなければならないのに、撮像素子が小さいばかりに中途半端な状態になっているのだ。
正直、レンズ交換のできるコンデジでしかないように見えてしまう。
撮像素子の大きさは、一般的なデジイチはAPSーCサイズ。
これに対し、ソニー製品を除きミラーレスはかなり小さい。
カタログをチェックするとNIKON 1は13.2x8.8mmしかない。
APS-Cサイズだと23.7x15.6mmだから、その1/4しかないのだ。
これではカメラの基本的な表現能力がどうしても「一眼レフと同じ」とはまったく言えない。
ミラーレスの先駆者であるパナソニックはフォーサーズといって、これもAPS-Cの半分ぐらい。
ソニーだけがAPS-Cサイズでミラーレスを実現している。
撮像素子が小さいと例えば被写界深度を調節して表現する「ボケ」の味が出しにくい。
Photoshopでデジタル的に加工して「ボケ」の味を出すのを良しとする傾向が多少ともあるが、そんなことを言っている人は「ボケ」に「ナス」を加えたいところだ。
このボケナス手法を推奨するのがミラーレス一眼の本骨頂ではないだろうが、カメラ好きの人にしてみれば、コンパクトで表現が良いというカメラは、例えばコンタックスGシリーズのようなものを求めているわけで、なんちゃってデジイチを買い求めたいと思っているわけではない。
ということで、友達以上恋人未満なら恋人がもちろん良いわけで、カメラにしてもコンデジ以上デジイチ未満であるのであれば、デジタル一眼がもちろんベスト。
もうちょっと工夫していただきたいメーカーさんたちなのでった。
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