師走の半ば夜、再会した御曹司クンは泣いた。
「久しぶりに会えたのにいきなりさーもうちょい浸らせてくれよなーもー、」
って乾杯のセリフから御曹司クン涙目で、
「泣きたいなら泣いちゃいな、待っててやるからさ?笑」
って言ったら、
「…もーさー、そんな…あいかわらず優し、」
ってセリフから涙こぼれて中ジョッキ片手に御曹司は泣きだした。
声はない、顔すこし傾けてビール啜りながら泣いている、
そんな顔は相変わらず拗ねてるようで、だけど記憶よりすこし大人びて見えた。
こいつも色々あったんだろな?
って思った、
それは花サンのことだけじゃない、御曹司クンが背負う諸事情全般だろう。
ソノ業界ソレナリ大手の跡取り、
多忙な両親とは会話の時間あまり無し、
お袋の味は家庭料理<レストラン系、
ゲイ寄りバイ、カミングアウトほぼ未済
こんなのドラマみたいな設定、きっとBL本とやらも喜ぶのだろう?
だけど御曹司クンには現実で、そのリアルは甘くない。
跡取り息子→職場の人間関係は縁故なしと違う気苦労がある。
代表取締役である父親と比較されて「あたりまえ」評価対象であることが日常だ。
社内評論家たちの視線はどんな空気なのか?
ソレだけでも御曹司クンの涙はしかたない。
御曹司クンの性格から言って、ソレナリ笑顔でやってるだろう。
でも「ソレナリ」だから鬱屈アタリマエに溜まる、
その吐け口をドコにするのか?
が、御曹司クンの問題点だなー。
なんて考えながら御曹司クンの泣き顔と酒飲んで、
花サンが泣いていた理由を思い出して、
で、ふたりが選ぶ先をツイ心配した。
こういう御曹司クンと花サンが結婚して、幸せなんだろうか?
「…ぅー…泣き止むの待ってくれてる?」
って泣き顔×セリフに思考中断されて、笑
あらためて見たテーブル越し、赤い目の拗ね顔に笑った、
「泣きながら話すとか無理だろ?笑」
「う…悔しいその言い方、けどうれしー」
なんて会話に御曹司クンは少し笑って、
涙まみれだろう笑顔におしぼり投げてやった、
「涙拭いたら溜まってるもん吐いちゃえよ、聴いてやるから、」
ホント全部ここで吐いちゃえばいい、
ソレで楽になれば余裕できるだろう?
だから言ったら御曹司クンはヤヤ照れた、
「ちょ…なんか照れるしソレ、照」
なんでこいつデレてんの?
って思ってすぐ言い返してやった、
「吐き出すのは口から本音の言葉だからな、シモじゃないから期待するなよ?笑」
ソレくらい御曹司クンも解っちゃいるだろう、笑
でもトリアエズ笑わせたくて言って、で、拗ね笑いが返ってきた、
「ソレくらい解ってるっつーの、変態あつかいすんなよバカっ、」
拗ねて、だけど半分は嬉しい。
そんな顔ひさしぶりで懐かしかった、で、ついツッコミいれた、笑
「ふーん、無断キスしようとか変態痴漢だよな、ねえ?笑」
「そっ、それは感情の昂りっていうかなんつーかっ、」
慌てたみたいな声、目の動き、
そんな挙動不審も前と変わらない、ちょっと安心して訊いた、
「で、いちばん最近の我慢した原因は?笑」
こう見えてコイツは我慢だらけだ、
事情ソレくらい解ってる、だから訊いたら御曹司クンは笑った、
「俺が我慢してるとかさー言ってくれんのホント…おまえくらいだ、」
おまえくらいだ、なんて言葉は=孤独
他に誰もいないって意味だ、
それだけ寂しい時間が御曹司クンの現実で、
そこに「居るべき名前」がでてこ無いことが哀しかった、で、訊いた、
「花サンも気づいてると思うよ、おまえの我慢もさ?」
気づいている、だから彼女も悩んでいる。
けれど御曹司クンはシニカルな口元で笑った、
「…どうかなー気づいてても聞いてくれないんなら無視と同じじゃね?」
第109回 1年以上前に書いたブログブログトーナメント
ちょっと書いたのでUPします、
コレや小説ほか楽しんでもらえてたらコメントor下のバナークリックお願いします、
移動中に取り急ぎ、笑
智
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って乾杯のセリフから御曹司クン涙目で、
「泣きたいなら泣いちゃいな、待っててやるからさ?笑」
って言ったら、
「…もーさー、そんな…あいかわらず優し、」
ってセリフから涙こぼれて中ジョッキ片手に御曹司は泣きだした。
声はない、顔すこし傾けてビール啜りながら泣いている、
そんな顔は相変わらず拗ねてるようで、だけど記憶よりすこし大人びて見えた。
こいつも色々あったんだろな?
って思った、
それは花サンのことだけじゃない、御曹司クンが背負う諸事情全般だろう。
ソノ業界ソレナリ大手の跡取り、
多忙な両親とは会話の時間あまり無し、
お袋の味は家庭料理<レストラン系、
ゲイ寄りバイ、カミングアウトほぼ未済
こんなのドラマみたいな設定、きっとBL本とやらも喜ぶのだろう?
だけど御曹司クンには現実で、そのリアルは甘くない。
跡取り息子→職場の人間関係は縁故なしと違う気苦労がある。
代表取締役である父親と比較されて「あたりまえ」評価対象であることが日常だ。
社内評論家たちの視線はどんな空気なのか?
ソレだけでも御曹司クンの涙はしかたない。
御曹司クンの性格から言って、ソレナリ笑顔でやってるだろう。
でも「ソレナリ」だから鬱屈アタリマエに溜まる、
その吐け口をドコにするのか?
が、御曹司クンの問題点だなー。
なんて考えながら御曹司クンの泣き顔と酒飲んで、
花サンが泣いていた理由を思い出して、
で、ふたりが選ぶ先をツイ心配した。
こういう御曹司クンと花サンが結婚して、幸せなんだろうか?
「…ぅー…泣き止むの待ってくれてる?」
って泣き顔×セリフに思考中断されて、笑
あらためて見たテーブル越し、赤い目の拗ね顔に笑った、
「泣きながら話すとか無理だろ?笑」
「う…悔しいその言い方、けどうれしー」
なんて会話に御曹司クンは少し笑って、
涙まみれだろう笑顔におしぼり投げてやった、
「涙拭いたら溜まってるもん吐いちゃえよ、聴いてやるから、」
ホント全部ここで吐いちゃえばいい、
ソレで楽になれば余裕できるだろう?
だから言ったら御曹司クンはヤヤ照れた、
「ちょ…なんか照れるしソレ、照」
なんでこいつデレてんの?
って思ってすぐ言い返してやった、
「吐き出すのは口から本音の言葉だからな、シモじゃないから期待するなよ?笑」
ソレくらい御曹司クンも解っちゃいるだろう、笑
でもトリアエズ笑わせたくて言って、で、拗ね笑いが返ってきた、
「ソレくらい解ってるっつーの、変態あつかいすんなよバカっ、」
拗ねて、だけど半分は嬉しい。
そんな顔ひさしぶりで懐かしかった、で、ついツッコミいれた、笑
「ふーん、無断キスしようとか変態痴漢だよな、ねえ?笑」
「そっ、それは感情の昂りっていうかなんつーかっ、」
慌てたみたいな声、目の動き、
そんな挙動不審も前と変わらない、ちょっと安心して訊いた、
「で、いちばん最近の我慢した原因は?笑」
こう見えてコイツは我慢だらけだ、
事情ソレくらい解ってる、だから訊いたら御曹司クンは笑った、
「俺が我慢してるとかさー言ってくれんのホント…おまえくらいだ、」
おまえくらいだ、なんて言葉は=孤独
他に誰もいないって意味だ、
それだけ寂しい時間が御曹司クンの現実で、
そこに「居るべき名前」がでてこ無いことが哀しかった、で、訊いた、
「花サンも気づいてると思うよ、おまえの我慢もさ?」
気づいている、だから彼女も悩んでいる。
けれど御曹司クンはシニカルな口元で笑った、
「…どうかなー気づいてても聞いてくれないんなら無視と同じじゃね?」
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