その朝に、
secret talk67 安穏act.4 ―dead of night
どうなるのだろう?
それから、あの貌。
“宮田君、実家ではない所が書いてあるけど?”
あれは普通の質問、でも、あの一瞬の眼。
あの担当官は何を見たのだろう?
―前と同じ外泊届だ、ただ、違うのは湯原の家ってことだから、
あの眼が見たもの、その意味。
それが何を呼ぶのか、起こすのか、その可能性どうしたら沈黙させられる?
「…嫌だけど使うか、」
声つぶやいた窓が青い。
もう明けてしまった今日、狭い寮室に久しぶりのスーツ羽織る。
衿元ネクタイ確かめて扉を開けて、かたん、閉じたドアノブに味噌が香った。
―朝飯にいるよな、あの男も、
思案と歩きだす脚、一週間ぶりのスーツなじむ。
毎週末ごと着なれた感覚、こんなことも学生時代とは違う。
でもそれはスーツを着る機会というよりも「スーツ」そのものだ?
―こんなスーツ見たら、あのひと何て言うんだろな?
思いだした「あのひと」に笑いたくなる。
もう暫く会っていない、けれど貌も言葉も解るような気がする。
解る、それだけ似ている自覚がある、だから「暫く」会いたくない。
―同類だから嫌なんだよな、俺?
でも知っている、わりと「同類」は役立つ。
そんな現実ひそやかに自嘲が笑う。
※校正中
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英二23歳side story追伸@第6話 木洩日
secret talk67 安穏act.4 ―dead of night
どうなるのだろう?
それから、あの貌。
“宮田君、実家ではない所が書いてあるけど?”
あれは普通の質問、でも、あの一瞬の眼。
あの担当官は何を見たのだろう?
―前と同じ外泊届だ、ただ、違うのは湯原の家ってことだから、
あの眼が見たもの、その意味。
それが何を呼ぶのか、起こすのか、その可能性どうしたら沈黙させられる?
「…嫌だけど使うか、」
声つぶやいた窓が青い。
もう明けてしまった今日、狭い寮室に久しぶりのスーツ羽織る。
衿元ネクタイ確かめて扉を開けて、かたん、閉じたドアノブに味噌が香った。
―朝飯にいるよな、あの男も、
思案と歩きだす脚、一週間ぶりのスーツなじむ。
毎週末ごと着なれた感覚、こんなことも学生時代とは違う。
でもそれはスーツを着る機会というよりも「スーツ」そのものだ?
―こんなスーツ見たら、あのひと何て言うんだろな?
思いだした「あのひと」に笑いたくなる。
もう暫く会っていない、けれど貌も言葉も解るような気がする。
解る、それだけ似ている自覚がある、だから「暫く」会いたくない。
―同類だから嫌なんだよな、俺?
でも知っている、わりと「同類」は役立つ。
そんな現実ひそやかに自嘲が笑う。
※校正中
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