見つけたい時間に、
secret talk71 安穏act.8 ―dead of night
誕生日に何もらったら女の人は喜ぶかな。
そんな質問この君がするなんて、どうして?
こんなとき「普通」考えられる仮定は、何?
“好きなひとがいるんだろうか”
それが普通だ、でもなんだ?
「…っ」
喉せりあげる、吐きそうだ?
“君に好きな人がいるんだろうか?”
思った途端に吐き気せりあげる、声もでない。
ほら脳まで鈍く重くなる、色褪せだす、そんな腕そっと引っ張られた。
「母の誕生日なんだけど…何が良いと思う?」
街角、君の声しずかに響く。
ああなんだ?
「あ、お母さんか」
間の抜けた声が唇こぼれる、吐き気すっと治まり楽になる。
「今日、ちょうど母の誕生日なんだ」
それで今回は実家へ帰りたかったんだ。
そんな声が黒目がちの瞳やわらかに微笑む、ほら君はきれいだ。
つい見惚れてしまう視界かたすみ、ちいさく疑問が疼いた。
そんなこと自分は考えたことあったろうか?
“喜ぶかな?”
誰かを喜ばせたい、なんて、考えたことあったろうか?
ずっと昔あったかもしれない?けれど消えた時間と微笑んだ。
「せっかくの誕生日なのに湯原、俺が泊めてもらっていいのか?」
「いつも二人きりだから、母も喜んでるよ、」
黒目がちの瞳そっと笑っている、その眼差しに現実が映る。
本当に2人きりの家族なんだ、君は?
『殉職したんだ、』
君が叫んだ君の現実、それが何気ない会話に映る。
父親を失ってから、ずっと二人で生きてきた君と母親の空気は優しい。
―こういうの母子の絆って言うんだろうな、壊したくないな?
あれ、今、自分が願った?
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英二23歳side story追伸@第6話 木洩日
secret talk71 安穏act.8 ―dead of night
誕生日に何もらったら女の人は喜ぶかな。
そんな質問この君がするなんて、どうして?
こんなとき「普通」考えられる仮定は、何?
“好きなひとがいるんだろうか”
それが普通だ、でもなんだ?
「…っ」
喉せりあげる、吐きそうだ?
“君に好きな人がいるんだろうか?”
思った途端に吐き気せりあげる、声もでない。
ほら脳まで鈍く重くなる、色褪せだす、そんな腕そっと引っ張られた。
「母の誕生日なんだけど…何が良いと思う?」
街角、君の声しずかに響く。
ああなんだ?
「あ、お母さんか」
間の抜けた声が唇こぼれる、吐き気すっと治まり楽になる。
「今日、ちょうど母の誕生日なんだ」
それで今回は実家へ帰りたかったんだ。
そんな声が黒目がちの瞳やわらかに微笑む、ほら君はきれいだ。
つい見惚れてしまう視界かたすみ、ちいさく疑問が疼いた。
そんなこと自分は考えたことあったろうか?
“喜ぶかな?”
誰かを喜ばせたい、なんて、考えたことあったろうか?
ずっと昔あったかもしれない?けれど消えた時間と微笑んだ。
「せっかくの誕生日なのに湯原、俺が泊めてもらっていいのか?」
「いつも二人きりだから、母も喜んでるよ、」
黒目がちの瞳そっと笑っている、その眼差しに現実が映る。
本当に2人きりの家族なんだ、君は?
『殉職したんだ、』
君が叫んだ君の現実、それが何気ない会話に映る。
父親を失ってから、ずっと二人で生きてきた君と母親の空気は優しい。
―こういうの母子の絆って言うんだろうな、壊したくないな?
あれ、今、自分が願った?
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