雪の夢、現
P.S 雪郷山籠act.2―P.S ext.side story「陽はまた昇る」
浮上した視界、ゆっくり天井が白く映りこむ。
もう明るい色彩に時刻が解かる、たぶん7時前だろう?
こんな時間に目覚めるなんて久しぶりで、だから要は思いだした。
「…きょぉぁぅぃぁ、な?」
今日は休みだったな?
そう言ったつもりが発声がおかしい、けれど昨日よりマシだ。
体もいくらか軽くなった、これなら熱も下がっているだろう。
そんな期待と起きあがったベッドの向う、がたり扉が開いた。
「ぁ?」
なんで扉が開くのだろう施錠したはずなのに?
いぶかしく見つめたまま開かれた影、さらり雪白の笑顔が現れた。
「おはよ黒木、調子どうかね?」
だからなんでこのひとがくる?
「ぅぃむぁぁんっぅぁんでぁぎあぇてんでぅかっ?!」
国村さんなんで鍵開けてるんですか?
って言ったつもりなのに声やっぱり変で言葉にならない。
それでも昨日よりは通じるだろう?そんな期待に秀麗な笑顔は言った。
「あははっ、ホントひどい声だね?宮田が言ってた通りだよ、黒木は明日も代休取得しな、小隊長命令だからね?」
命令されてしまった、でもこちらの発言への返事は無い。
発声が悪くて通じないのだろうか、それともワザと無視されている?
そんな思案しながらも状況に混乱させられてしまう、けれど夢を見ていなくて良かった。
―あの夢の直後だったらさすがにちょっとな?
昨日は見てしまった雪山の夢、あの笑顔そっくりな顔がベッド近くに立っている。
だけど現実の「これ」は男で上司でファイナリストにもなれるクライマーだ、あの夢の人じゃない。
その認識させたくて頭いつもの仕草に振って、ぐらり目眩が座りこんだままベッドよろけた。
「っぅ、」
しまった熱あるのに頭振るなんて?
後悔ごとベッドに手をついて体支える、でも自分で腹が立つ。
こんな弱っている醜態なんか見せてしまった、そのプライドに額へ白い手が触れた。
「ぅあっ!?」
叫んで避けて白い手に固まらされる、だって今この手に触られた。
そんな認識すぐ逆上せだす、そして自分で情けなくなる。
―なんだって男に触られてアがるんだよ俺、夢と混濁してんじゃねえよ?
独り声なく毒づきながら困る、今きっと変に想われたろう?
けれど白い手の持ち主は底抜けに明るい目で笑った。
「やっぱまだ熱あるね、だのに頭ふっちゃダメだよ黒木、それくらい救急法で知ってるだろが、」
ああ今なんかダメ救助隊員って罵られてる?
こんな自分が不甲斐ない、なんだって今こんなに調子狂うのだろう?
その元凶はもう片方の手を伸ばして、ことん、ペットボトル2本置いてくれた。
「水分きっちり摂って寝ときな?飯食えそうなら持ってきてやるけどね、ちっと喉見せてみな?あーんって、」
それはお願いです勘弁して?
そう言いたいけど声また変だろう、そして通じない。
または敢えて無視される、そんな予想に口の前で両手クロスさせ謝絶した。
―今ほんと近づかないでくれよ国村さん、なんか調子狂っちまう、
ほんとに今は近づかないでほしい、喉見せるなんてトンデモナイ。
そんな意志表示したのに雪白やさしい笑顔は強硬に微笑んだ。
「ほら手をどけな?上司が直々に診てやろうって言ってるんだよ、黒木は命令違反しちまうツモリ?」
だからその言い回しホント卑怯だ?
そう言いたいけど言えない、ただ追い詰められるベッドに笑顔が腰下した。
「ほら遠慮するなって、喉の具合で食える飯も変わるだろ?だから診せなって、」
「っぇんぃぉぃますっ」
遠慮します、
即答に声押しだして、けれど言葉になってくれない。
これだと解釈また勝手されるだろうか?そんな心配の向こう低い綺麗な声が笑った。
「おはようございます黒木さん、昨夜は国村さんと一緒に寝たんですか?」
それは誤解だ酷すぎるだろ?
「っみぁたっそぇはごぁぃぁっ、ぉまぇこぉあさがぇぃぁっ?」
弁明の声あげて、けれど声また言葉になってくれない。
それでもこの男なら汲んでくれるだろう?そんな期待に白皙の端整な笑顔は言った。
「誤解じゃなくて冗談ですよ?俺は朝帰りで正解ですけどね。国村さん、今日の訓練のルートを確認したいので来て下さい、」
ああホントこの男は頼りになるな?
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side story第78‐79話の幕間@黒木サイド
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浮上した視界、ゆっくり天井が白く映りこむ。
もう明るい色彩に時刻が解かる、たぶん7時前だろう?
こんな時間に目覚めるなんて久しぶりで、だから要は思いだした。
「…きょぉぁぅぃぁ、な?」
今日は休みだったな?
そう言ったつもりが発声がおかしい、けれど昨日よりマシだ。
体もいくらか軽くなった、これなら熱も下がっているだろう。
そんな期待と起きあがったベッドの向う、がたり扉が開いた。
「ぁ?」
なんで扉が開くのだろう施錠したはずなのに?
いぶかしく見つめたまま開かれた影、さらり雪白の笑顔が現れた。
「おはよ黒木、調子どうかね?」
だからなんでこのひとがくる?
「ぅぃむぁぁんっぅぁんでぁぎあぇてんでぅかっ?!」
国村さんなんで鍵開けてるんですか?
って言ったつもりなのに声やっぱり変で言葉にならない。
それでも昨日よりは通じるだろう?そんな期待に秀麗な笑顔は言った。
「あははっ、ホントひどい声だね?宮田が言ってた通りだよ、黒木は明日も代休取得しな、小隊長命令だからね?」
命令されてしまった、でもこちらの発言への返事は無い。
発声が悪くて通じないのだろうか、それともワザと無視されている?
そんな思案しながらも状況に混乱させられてしまう、けれど夢を見ていなくて良かった。
―あの夢の直後だったらさすがにちょっとな?
昨日は見てしまった雪山の夢、あの笑顔そっくりな顔がベッド近くに立っている。
だけど現実の「これ」は男で上司でファイナリストにもなれるクライマーだ、あの夢の人じゃない。
その認識させたくて頭いつもの仕草に振って、ぐらり目眩が座りこんだままベッドよろけた。
「っぅ、」
しまった熱あるのに頭振るなんて?
後悔ごとベッドに手をついて体支える、でも自分で腹が立つ。
こんな弱っている醜態なんか見せてしまった、そのプライドに額へ白い手が触れた。
「ぅあっ!?」
叫んで避けて白い手に固まらされる、だって今この手に触られた。
そんな認識すぐ逆上せだす、そして自分で情けなくなる。
―なんだって男に触られてアがるんだよ俺、夢と混濁してんじゃねえよ?
独り声なく毒づきながら困る、今きっと変に想われたろう?
けれど白い手の持ち主は底抜けに明るい目で笑った。
「やっぱまだ熱あるね、だのに頭ふっちゃダメだよ黒木、それくらい救急法で知ってるだろが、」
ああ今なんかダメ救助隊員って罵られてる?
こんな自分が不甲斐ない、なんだって今こんなに調子狂うのだろう?
その元凶はもう片方の手を伸ばして、ことん、ペットボトル2本置いてくれた。
「水分きっちり摂って寝ときな?飯食えそうなら持ってきてやるけどね、ちっと喉見せてみな?あーんって、」
それはお願いです勘弁して?
そう言いたいけど声また変だろう、そして通じない。
または敢えて無視される、そんな予想に口の前で両手クロスさせ謝絶した。
―今ほんと近づかないでくれよ国村さん、なんか調子狂っちまう、
ほんとに今は近づかないでほしい、喉見せるなんてトンデモナイ。
そんな意志表示したのに雪白やさしい笑顔は強硬に微笑んだ。
「ほら手をどけな?上司が直々に診てやろうって言ってるんだよ、黒木は命令違反しちまうツモリ?」
だからその言い回しホント卑怯だ?
そう言いたいけど言えない、ただ追い詰められるベッドに笑顔が腰下した。
「ほら遠慮するなって、喉の具合で食える飯も変わるだろ?だから診せなって、」
「っぇんぃぉぃますっ」
遠慮します、
即答に声押しだして、けれど言葉になってくれない。
これだと解釈また勝手されるだろうか?そんな心配の向こう低い綺麗な声が笑った。
「おはようございます黒木さん、昨夜は国村さんと一緒に寝たんですか?」
それは誤解だ酷すぎるだろ?
「っみぁたっそぇはごぁぃぁっ、ぉまぇこぉあさがぇぃぁっ?」
弁明の声あげて、けれど声また言葉になってくれない。
それでもこの男なら汲んでくれるだろう?そんな期待に白皙の端整な笑顔は言った。
「誤解じゃなくて冗談ですよ?俺は朝帰りで正解ですけどね。国村さん、今日の訓練のルートを確認したいので来て下さい、」
ああホントこの男は頼りになるな?
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