仕事の道楽化

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「こんな校長先生にはなるまい」と思った話

2020年09月09日 | 学校経営
  以前、学級担任をしていた頃の話である。

 自分は、まだ30歳頃で若かった。(常識もあまりなかった。)

 お昼前に、緊急の用があったため、校長室に入っていった。

 「校長先生、ご相談があるのですが・・・。」

 と言ったその直後、雷が落ちた。

 「食事ぐらいゆっくり食べさせてくれ!」

 大きな声で叱られた。

 ちょうど、検食中(給食のチェック中)だったのである。

 今思えば、食事が終わってから相談すれば良かったのである。

 せめて、「お食事中にすみませんが・・・」と言えば良かった。

 その時は、「すみません、後ほど伺います。」と、小さな声で謝って退室したような気がする。

 確かに、食事中は、ゆっくり食べたいものである。

 食事の邪魔をした自分は、配慮が足りなかった。



 しかし、しかしである。

 後になってじっくりと考えると、腑に落ちない点も出てくる。

 学級担任をしているときは、「食事をゆっくり食べられる」ということは殆どない。

 子供達と楽しく会話をしながら食べるのはおいしく、楽しい時間なのだが、そんなゆっくりとした時間はなかなか取れない。

 こんな声が聞こえるときがある。

 「先生、○○をこぼしました。」

 「先生、○○のおかわりをします。」

 「先生、隣のクラスで、○○が足りないそうです。」

 等々、その度に対応する。

 対応しなくてもすむように、システム化していても、少しは対応しなければならない。

 食事が終わったら、保護者からのお手紙に返事を書いたり、家庭学習のチェックをしたりする。

 落ち着いて給食を食べるということは殆どできない。


そんな学級担任である自分たちと、その怒鳴った校長先生と比べて考えると、

 「給食をゆっくりと食べることができていいなあ。」

 と思った。

 正直に言って、

 「いい気なモノだなあ。気楽だよなあ。」

 と思ったのである。

 同時に、「決して自分はそんな管理職にはなるまい」とも誓った。

 反面教師としては、素晴らしい校長先生だったと言える。
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