本日も、昨日に続いて月刊誌「致知」7月号(特集テーマは「一灯破闇」)からの学びを書くことにする。
自分は、最近「マインドフルネス」に毎朝取り組んでいる。
これは、日本流に言えば、「瞑想」ということになるだろう。
そんな自分が気になったのが、俳優であり、仏道修行や仏像彫刻にも取り組んでいるという滝田栄氏の言葉である。
滝田氏は、インドで2年間仏道修行をしたという。
そのときの話である。
半年に一度、日本に戻ってCMなどの仕事をしていましたが、インドの生活はとても僕の性に合っていましたね。
十時間を超える深い瞑想の中で空や大地とーつになる体験をしたり、キリストがやったような驚くべき奇跡を聖者から直接見せられたこともありました。
堀澤先生は先ほど好相行のお話をされましたが、僕も深い瞑想の中で観音菩薩と出会うという体験を度々してきました。
その時は僕だけではない、命あるものすべてがお母さんに抱きかかえられるような安心感、至福感を味わっていました。
ここでは、サラッとすごいことを言っている。
「十時間を超える深い瞑想の中で空や大地とーつになる体験をした」
「深い瞑想の中で観音菩薩と出会うという体験を度々してきました」
どちらもすごい体験である。
普通の人は体験できない。
きっと、快いという言葉では言い表せないような神秘体験だったことだろう。
味わえるものなら味わってみたい。
そのような修行を2年間ほどしたところで、聖者から次のように言われる。
「おまえはそろそろ日本に帰れ」
「ここにいたらおまえの人生はあっという間に終わる。東京に帰れ。東京は日本で一番煩悩の渦巻いているところだから、その中で正しく生きることが一番の行だ。」
「煩悩の渦巻くところで正しく生きる」ことこそが一番の行だというのならば、多くの人は一番の行をしていることになるのではないだろうか。
滝田氏のような瞑想体験は、まだできない。しかし、煩悩の中で正しく生きることを目指す行ならば、自分もできそうな気がする。