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Pretenderの備忘録

親愛なるレニー

2023-12-14 20:13:09 | 読書
レナード・バーンスタインと戦後日本の物語 吉原真里著 アルテスパブリッシング2022

知らないことも多く衝撃的な内容も多かった。
日米の文化交流を調査している学者が、アメリカ議会図書館のバーンスタインコレクションで見つけた個人書簡のうち、有名人でない2名を調べて、バーンスタインとの関わりを綴った書。一人は初期からのファン女性、もうひとりは愛人でありビジネス面で支えた男性。後者はあまりにも赤裸々なラブレターが何通も出てきてビックリした。それをバーンスタインが保存していたのだから、深い愛で結ばれていたのだろう。
こんなプライベートなレターを公開していいのかという疑問は最後に解ける。彼からの書簡は彼の死後公開という条件だったのを図書館が誤って出してしまった。その後、著者が本人とコンタクト。バーンスタイン遺族及び財団がOKするに至り本人もOKしたという。それにしても、あまりにもプライベートで、研究の本来の目的でもなし、必要あったのかという思いはある。同性愛を普通に取り上げるという別の目的があったのだろうか。噂になっていた弟子の音楽家の名前も多数出てくるが、あくまで弟子としてだ。その他、ゼッフィレッリやエッシェンバッハも出てくる。
個人的には、85年8月6日は広島にいて、朝5時頃、慰霊碑の前で、バーンスタインや小澤さんを実際に観ているので懐かしかった。
ベルリンの壁の第九は録画を観て感動したが、さらりと触れられてるだけが残念。
PMFについては、経緯等、全く知らず、驚いた。
そしてあの最後のタングルウッド。私はボストンに住んでいたので。
註こそないが、学者らしく参考文献、索引はある。
コメント
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