原作は読んでいない、日本版の大昔の映画も観ていない。
死者との対話というテーマは、能の世界によくみられるテーマである。
幽霊というか、死者のホラーは、円朝の牡丹灯篭の世界を彷彿とさせる。
山田太一にそうした影響があったことは想像に難くない。
それらを踏まえながらも、本作の舞台はロンドンであり、テーマはゲイの人生である。現代でもゲイの生きにくさはあるものの、死者との対話により、過去よりも時とともに環境が変化していっているというのを描いている。でも現状を肯定しているわけではないだろう。
Mick Jaggerにgarbageと言われた、frankei goes to hollywoodの美しい曲が画面を彩る。
例えば、主人公の恋人がソファーで読んでいた本は、Henry David ThoreauのWaldenだったり、小物も素敵だ。
原作 「異人たちとの夏」山田太一著(新潮社刊)
監督 アンドリュー・ヘイ
キャスト アンドリュー・スコット, ポール・メスカル, ジェイミー・ベル, クレア・フォイ
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