あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

山の中の小さなお宮

2025-01-09 21:59:00 | 神社 仏閣
 なんだか私のカレンダーは3,4日現実とずれています。まだまだと思っていた正月がいつの間にかやってきて、年の暮れの用事が新年に持ち越されて、七草の日になっても正月気分で・・・・
 
 初詣も三が日には行きませんでした。
 氏神様へは、遅ればせながら誰もいない時にこっそりとお参りしました。去年、しめ縄を付け替えるって言ってたけど
 
 
 美しいしめ縄がかかっていました。ふうん、こうやって作るのか。わらを束ねて折り返して… ちょっと作り方が見えてきません。わらはどこで調達したんだろう。地元のお世話人や有志が作ったはずなんです。無信心者のわたしは作り方のほうに興味がいってしまいました。
 
 もう一つ暮から気になっているおみや?があってここへの初詣に行ってきました。つまり初ウォーキング。
 
 これを見つけたのは本当に偶然です。昨年の暮れのことですが、ウォーキングコースから離れて山道に入りました。 近くに小さな池があって水鳥が来てないかなあと見に行ったのです。初めて来たわけではないのにどうして今まで気が付かなかったんでしょう。気に留めたのは初めてです。 「山の神神社」という石柱と祠がありました。
 
 


 最近娘が神社参りにはまっているようでいろいろなところの神社を紹介してくれるので、気になったのかもしれません。ブログでは時々神社を書きますが、私という人間の基本は無信心なのであしからず。
 
 一応山の神様に手をわ合わせ、ふと向こうを見たら水道のパイプみたいなのが見えました。なんだろうと行ってみたら
 


 うわあ、これも神様か。「若宮大明神」の石柱があって、パイプは鳥居替わりのようでした。朽ちたしめ縄が引っかかっていました。ここにも手を合わせ写真を撮って帰りました。さて、問題はここから
 
 撮った写真を見たら、一枚の真っ黒な写真が!? それが若宮さんの写真だったのです。
 
 どういうこと? 何者かが撮るなって邪魔をした?
 
いやあ、ビビりました。むすめが、わたしがこんなことでビビるなんてーって笑うんです。わたしは遂に娘と、一緒に神社巡りしている娘のお友達とについてきてもらってもう一度写真を撮りました。
 そしたらなんともなかった…
 
 大体、わたしが今まで行った神社は、どんな寂れた集落にあっても、綺麗に祀られているところばかりでした。
 石鎚村のような廃村でもお宮だけは手入れされていたのです。この打ち捨てられたようなお宮はどうしてなのか。集落がないわけではないのに。誰もお祀りしなくなつて、誰か奇特な人が一人でお祀りしていたのに、その人がもう来れなくなってしまったのか? 誰もいなくなったお宮に怪しいものが住み着いていて、わたしに見つかったから何処かへ引っ越したとか?
 妄想を掻き立てるに十分なお宮でした。
 
 書いているうちにふと思ったのです。もしかしたらこれは神様をどこかに移転した跡地かもしれない。
 と言うのも、去年訪ねたお宮はどこもいくつかの神様の名が掲げられていたのです。
 
 その1
 普通の狛犬と共に、狛犬のような猿がいると言う神社。名前は忘れました。




 ちょうど夏越し祭りの直前で大きな茅の輪が作られていました。この辺りまとまった集落もない限界集落でしたが、神社だけは大切に守られていることに感動したものです。


 まだ新しい掃除道具が整頓されていました。


 これが本殿かな?
 


 こんなにもたくさんの神様が祀られているらしいです。
 


 疱瘡神社なんていうのもあるのねー
 山の神というのはどこにでもあるのでしょう。土着の神様としてあちこちに散らばっていたお堂や祠を集めたのではないかと、その時思ったのです。
 
 あの時ついでに前から気になっていた近くの神社へも行ってみました。そこは山の中にあって、車道から屋根だけ見えるのです。
 




 ここには五つの神様が祀られているのかな?詳しくも見て見ませんでしたが。夏草の生い茂る季節でしたが清々しく掃除されていました。
 
 
 さらにさらにここにはどこかに続く道があって、こんな道を登って行った先に




 こちらはあまり管理されてなかったような。山の神だけは別にあったのか。


 何があるのか突き止めたことに満足して、建物すら写していませんでした。
 こうして見ていくと、山の神って山にはどこにもあったんですね。
 
 その2
   海に近い山の中、御崎神社



 ここには牛がいました。
 




 おつと、話がそれました。


 長ーい建物の中に小さな祠がずらっと並んでいました。


   合祀は、確か明治時代に行われたと記憶しています。
 
 で、はじめの小さなお宮に帰ります。
 
 池のある林の中に山や神様と水の神様が祀られていたのは、考えたら当たり前でした。わたしが気になるのは、今忘れ去られようとしているのか、それともどこかの神社に移動して大切にされているのか、ということなんです。でも山の神が街中にあったらこれはこれで変ですよね。そして、人間が何かをお願いしたり叶えてもらったりするような神様ではないような気がしました。
 
 以上、あくまでもわたしの感じたことですので知識不足や間違いもあるだろうと思いますがお許しください。
 
 
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わたし、失敗しないので

2025-01-06 00:40:50 | 野菜・果物・料理など
 わたし失敗しないのでー
と豪語した柿の渋抜き
 
 摘果をさぼった結果鈴なりで枝が折れるほど。 トラオに手伝ってもらってコンテナ10杯も収穫できました。
 


 この中から大きな傷のないのをえらんで焼酎抜きにしました。 
 何年も渋抜きをしてきてようやくコツをつかんだというか、原理がわかったというか・・・・
 要は「窒息」柿の呼吸を止めればいいのです。そのためにアルコールで空気の取り入れ口(へたの部分)を遮断し、袋の空気を吸い取って真空にし、ドライアイスのCO2で袋を満たし、これでもかと柿が呼吸できなくするのです。それがわかってからは袋に柿を10キロだの焼酎を何㏄だのドライアイスを何グラムだの細かい数字にとらわれずに、作るようになりました。
 へたについた枝をもぎ取り、へたの部分をホワイトリカーにどっぷりと浸します。さらに小さく切ったキッチンペーパーで蓋をします。
 


 無農薬なので見栄えが良くない柿です。
 
あとは袋に入れて念のために新聞紙で覆い作業で残った焼酎を振りかけてドライアイスを入れ(10キロにつき100gくらい)掃除機で真空状態にします。
 
 これはすでに出来上がって一度袋をあけたものなので袋が曇っていますが。
 


 
 小さな傷は気にしない気にしない。



 


 今回は一度に作らず、まず2袋約40個、一週間後に二袋、その二日後4袋、そのまた三日後4袋、合計12袋約240個の焼酎抜き柿を作りました。時間はかかりましたが私の作業は完璧。わたし絶対失敗しないので。
 その通り、クリスマスまでに食べたのは大成功。おいしいと評判も上々だったのです。
 ところが、年末頃食べてね、と友人に配ったのは
 
 まだ渋が抜けてないみたい
 
 ええ~! 絶対失敗しないはずだったのに・・・
 
 焼酎を振りかけて掃除機で空気を抜いてもうしばらく置くようにお願いしました。年明けに,  おいしくなったと連絡が来ました。おかしい、予定より抜けるのが遅い。新年に食べるつもりだった最後の4袋は正月になってもまだ渋が残っています。一袋はトラオパパの里帰りにおみやげにするつもりでした。大丈夫かな? 失敗の原因は何だっのか。
 おそらく部屋の温度が低いせいではないだろうか、急激に真冬並みの寒波が来ましたから。そこでヒーターのあるリビングに柿を移しました。そして何とか帰省にも間に合ったのです。寒いと渋が抜けにくくなるみたいで、単に袋から出すのが早すぎたということでしょう。よし、これで来年は絶対失敗しないので。
 
 話はそれますが、新年早々gooblogの不具合がありましたね。はじめ下書き保存したはずの記事が消えてしまい、あちゃーと思ったのですが、書き直すこともログアウトもできず、翌日まで放置することになってしまいました。自分のスマホがどうにかなったのかとニュースを見てみたけど異常なし、ヤフーニュースでサイバー攻撃の影響を受けたと知りました。
 やっとつながるようになって改めて投稿したのですが、スマホを見てびっくり。画像が消えている。そこでもう一度アップロードしなおして今度はうまくいきました。ところがパソコンで記事を見てまたまたびっくり。同じ写真が2枚ずつ?
慌てて先にアップロードしたのをけしました。ところがところが、またまたスマホの記事から写真が消えました。そこでまたアップロードしなおしてパソコンを見たらまたまた同じ写真が2枚ずつ。もうあきらめてそのまま放置しています。新年そうそうばたばたしましたねー
 
 さて、話を戻します。まだまだ試行錯誤中で「絶対失敗しない」とは言えないジャムづくりについて。
 
 大量のゆずときんかんが届きました。
 小さいゆずと
 
 
 大きいきんかん
 
 写真で見たら見分けがつかないほど大きさが似ています。
 まず、ゆず
 汁を絞りました。
 皮と実とを分けて煮ました。実は酸味を残すように一回だけ茹でこぼし、皮は刻んでから3回茹でては水にさらして、最終的に実と皮を合わせて砂糖を入れて仕上げました。酸っぱすぎず、とろみも十分。まあまあ成功かな?というのは皮のピリピリ感がちょっと気になるので、もう一回くらい茹でこぼした方がいいかしら。ただその分香りが消えるのでそのバランスがむずかしいところ。
 


 
 きんかん
 皮に切れ目を入れて種を出すところですが、あまり種はなさそう。第一面倒だし時間もない。ということでそのまま煮ました。二回ほど茹でこぼし、砂糖を入れました。味はいいのだけど、煮ているうちに実が次々と破れていきました。
火力が強すぎたのかな? わたしは冬の間ストーブでジャムを作るのです。ま、いいか。多分食べるのは私だけでしょう。
 


 
 
 冷凍していた茹でピーナッツ。 お餅を冷凍するために出してきました。

 
 前はピーナッツ味噌にしましたが、今回はピーナッツバターに挑戦。義妹が、ひたすらミキサーで混ぜていたらでできたと言ってくれたのですが、少し硬いけどおいしかったのです。柔らかくするには何か別の油を混ぜるといいのかなあ? 試しに手元にあったココナッツオイルを混ぜてみたのですが、あまり柔らかくならず、ココナッツオイルの香りが強すぎて、これは改善の余地あり。
 
 これも大量にもらったキーウィ 
 ゴールデンキーウィで酸味は少ないタイプですが、それでもジャムにすると酸っぱいのです。以前作ったときは余りにも酸っぱくて大失敗。その経験を踏まえて、今回はいったん火を通して出てきた上澄み液を瓶に取り、再び鍋に水を足して実を煮ました。まだちょっと酸っぱかったのでこの汁も取り除き、その後砂糖を入れてジャムの出来上がり。

 
 ヨーグルトソースにするには少し硬かった。 真ん中に広がってくれません。煮詰めすぎました。



 瓶に取っておいた汁ははちみつを加え水で薄めてジュースとして飲みました。おいしかったです。
 
 柑橘やキーウィのさわやかな香りに包まれて、今は(今頃?)干し柿作り。秋冬は加工品作りも忙しいのです。ようやく柿を剥き終わりました。このあと、伊予柑が待っています。
 
 
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あけましておめでとうございます

2025-01-02 00:39:02 | くらし



 雲一つない穏やかな新年を迎えました。
 
 
 かすみの中の石鎚山です。
 
 燧灘にも雲はありません。
 



 
 能登大地震で開けた辰年の昨年。今年はこの穏やかさがずっと続きますように。
 私自身は相変わらずちまちまと日常を綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 



 
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今年を振り返ってみると

2024-12-30 22:33:59 | いろいろ
 今年の漢字は「金」だそうですが、私の漢字は
 「壊」
 
 以下、本文には関係のない鳥の写真(豆粒みたいな)とともに「壊」の一年を振り返ります。
 
3月 
 知り合いの車屋さんに中古車を探してもらっていました。(もうちょっと安全技術の進んだ車が出るまでのつなぎのつもり)ようやくいい具合のというか、新品のようにきれいな車を見つけてもらいました。ところがひと月もたたないうちに左ドアをぶつけられまして、ドアをそっくり交換する羽目になりました。
 修理屋さんに「もう3度目はないと思うよ。」と慰めてもらったのに、それから半年もたたないうちにまたまた左ドアを傷つけられて(今度は隣に駐車していた車のドアが当たった)もう何回代車生活を送ったことやら。
 「いろいろある割には無事でいるでしょう?」 と友人に言われ、ああ!と気が付きました。入院するほどの大けがは今までしたことがないのです。人を傷つけたことも。私は案外強運の持ち主かもしれません。
 
 6月 
 以前折った歯のつなぎ部分がとれてしまいました。あいにく行きつけの歯医者が臨時休業、評判のいいその先生に診てもらうのは1週間も10日も後になるでしょう。仕方なく別の歯医者に電話して3日後には見てもらえることになりました。そこも若い先生が跡をついでから評判がいいのです。(友人の教え子でした。時の流れをじるわぁ)小さな虫歯も見逃さず、時には口の中で道路工事をしているような衝撃にも耐えつつ治療すること半年。まだ終わりません。
 この際悪化しそうな虫歯を全部やっつけて、後は数か月おきのメンテナンスに通って後期高齢期をむかえるつもりです。というのも90歳過ぎた父の歯の治療で苦労した思い出があるからです。まず口を開け続けていることが難しかったのですから。わたしは年取ってから治療しないで済むように頑張るつもりです。
 
 7月 サギの群れ。なぜか今年はアマサギを見なかった
 
 
 今年は暑かったですね。
 羽で扇いでるのかもしれない。なんて思ったアオサギ
 


 
 
 
 稲が短い間はサギがよく見えるのです。 
 
8月
 
 1 動作が遅く長い間使ってなかったパソコンを専門店に見てもらいました。大枚はたいて最適化してもらいサクサク動くようになりました。が、快適に動くようになるとパソコンで遊ぶ時間が増えて・・・良かったり悪かったり。
 2 壁の塗り替えのため取り外したエアコンが効かなくなりました。あまり使ってない部屋なのでそのままです。
 3 娘の指も壊れました。1週間程度の入院でしたが、孫たちがあまり手がかからなくなっていたので助かりました。
 
 9月 去っていくチュウサギ

 
  ダイサギは残っています。


 
 近くにもう一羽いて盛んに鳴きかわすホオジロ
 
 井戸のモーターが壊れました。 古い鉄の配管がさびていたようです。錆を取り除いても直らず買い替える羽目に。
 
 10月 
 
 壊れた納屋の近くでうろうろしていたキジ


 
 ここにも壊れた鳥の姿。 この羽の落ち方は何者かに襲われたのかもしれません。
 



 
 アオサギも残っています。愛媛県では留鳥です。
 
 
 11月 ジョウビタキ うちの近くでもよく見かけるようになりました。

 
 このころから破壊の加速度が増したような気がします。
 
 新しい掃除機を買ったとたん、今まで使っていたダ〇ソンの掃除機が動かなくなりました。 体格のいい西洋人に合わせてるから重いし取り外しにも力が要るし・・・なんて悪口言ってたので怒ったのかもしれない・・・
 わたしは軽いめまいが続き、 物忘れが多くなり、パズルを解く速度が遅くなり、失せ物は1週間も見つからないことが多くなって(記憶を頼りに探すと絶対出てこない)自覚してない意外な場所から出てくるのです。
 私の脳みそも壊れた?
 
 12月 冬鳥たち






 
 このため池には水上ソーラーができるのだそうです。ため池自体は壊すのではないそうですが、鳥たちはすみかを追われますね。
 
 寒そうなアオサギ
 
 葉っぱが少なくなると鳥がよく見えるようになりますが、何の鳥なんだか。尻尾が長いのでエナガかもしれないと思ったのですが確信はありません。

 


 こちらの鳥は揺れる木の枝でびよーん、びよーんと遊んでます。
 




 
 12月 あなたはコウノトリですか? なぜか電柱の上にとまったサギ



 1 嫁入り道具に持ってきたガラスのサラダボール、ついに最後の一枚を落としてしまいました。今年一年で全滅です。
 
 そして、最後の壊し治め
 2 一年ちょっと愛用したオカリナ
 
 
 吹き口が粉々になったものは直しようがなく買い換えました。
 友人に嘆いたら
 
「大ごとにならず良かったと思い年末を締めくくりましょう。」
 またもやポジティブなお言葉
 
 ただね、「壊」の先に待つものは「金」
 きんではありませんよ。カネ、カネ、マネーです。やはり今年は「金」の年でした。
 
新しい良い出会いもありました。
1 しまなみ海道のガイドをする傍ら自然と遊べる農園作りに取り組んでいるシクロ農園のKさん。そしてお隣の山のMさん(女性)。Mさんは80歳を過ぎても現役の果樹農家さん。ご主人をなくしてから一人で桃や梨を栽培しています。急な山の斜面に2mもの脚立を立てて剪定や収穫をしているのです。Mからおいしい梨を買って元気をもらいました。
 ババ友みんなでシクロ農園に訪問して 楽しい一日を過ごしたのですがブログに書く機会を逃しました。
2 大都会Y市から移住してきたMさん(男性)あちらではレザークラフトの作家さんで公募展でも素晴らしい成績を治めていたのにすべてを人に譲ってこちらへきたのだとか。ユニークな魅力的な絵を描いてらっしゃいます。
 
 ということで今年のブログを締めくくりたいと思います。
 
 タイミングよく娘から動画が送られてきました。どなたか、知り合いの知り合いが作ったとか。
 
 2024年駅から2025年駅行への列車が走るという設定で
 
2025年行きの列車には悲しい思い出や、嫌なことは持ち込み禁止、2024年駅に忘れ物として置いて行ってほしいー 2025年行の列車へは楽しかった思い出や心温まる出来事だけを持ちこむこと。次の年には新たな出会いや幸せが待っています。
 
 優しい声で心温まるメッセージ。そのままお借りして皆さんにお伝えしたいと思います。この一年ご訪問ありがとうございました。ではよいお年をお迎えください。
 
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迷いのち焦り

2024-12-28 12:55:19 | レザークラフト

 いよいよ押し迫ってきた25日、県展が終わり作品搬出に行ってきました。一週間ぶりの美術館。駐車場から見える城山もだいぶ冬らしくなりました。

 


 
 12月に入って三回目の美術館行きです。往復2時間かかるのです。ついでにあれこれしていたら半日以上がつぶれます。年末だというのに。
 今年は会場の改修工事のため、例年より開会がひと月遅れ、その分締め切りもひと月遅れ・・・私の制作とりかかりも・・・例年なら制作のピークは9月で10月半ばには制作完了、だったのに。
   県展ーこれこそ11月の忙しさの元凶
 いや、自業自得? 他の人はそれなりに余裕をもって制作していたと思います。むしろ締め切りが1か月遅いということは制作時間がたっぷりあったということで。たっぷりあったはずの時間に私は何をしていたのかな?
 
 今回の作品は石鎚を描きました。 
 題して「山頂の夜明」 夜明けの石鎚ではないのです。そこのところ強調しておかなければ。
 
 
 
 昨年石鎚山頂で迎えた夜明けをいつかはーと思っていました。が、愛媛ではプロアマを問わず好んで題材にする石鎚山です。似たり寄ったりの個性のない作品になるのは承知の上で、やっぱり記念に染めておきたかったのです。
 
 そこで生じた迷いとドタバタの数々を端折って記録します。
 
 まずデザイン
 はじめ1メートル四角の衝立にしようと思いましたが・・・
 夜明の太陽と山頂の天狗岳とを描くと正方形では収まりません。で、F40号サイズの額にいれることにして
 それでもポイントになるもの二つが、離れているということが問題。
 それを解決するために、実際の景色をぎゅっと縮めました。
 その結果・・・実際の風景と比べると他の山々の位置がおかしい。
 まあいいか、これは写生ではないんだしーそう、石鎚によく似た山ということにしておこう。ということで周囲の人にはそう言っておきました。
 
 とはいうものの
 わたしって、最近写実志向ではない? 昔はもっと簡略化した図案だった。それはろうけつという手法にのっとったものだったと思うのですが、私の腕が上がるに(?)つれて、より細かい表現を目指すようになったということなんだろうか。絵を描くようには表現できないろうけつ染め、それをできるだけ絵画に近づけようとしたのがそもそも迷いのもとだったように思います。
 
 細かいところで
 岩のざらざらした感じー亀裂の手法を使ったらどうかしら。亀裂とは、ひび割れしやすいロウを置き、技と手でひび割れさせて割れたところに染料をしみこませる手法です。
 
 うまく割れないなあ。
 


 そこでロウの配合を変えてみました。今まで使ってきたロウの基本は木ロウ+蜜ロウ+パラフィン
 蜜ロウが多いと粘り気が強く革に密着しやすく、パラフィンが多いと固く割れやすくなります。
 
 パラフィンを増やして
 あら、ばらばらになりすぎ
 もうちょっと蜜ロウ入れようか
 とろうを溶かしては亀裂を入れ、を繰り返してー亡くなった大先生はグラム数を図って記録していたというけど、おおざっぱな弟子だもので。
 
 こんな感じでいいかな? 亀裂が滲んでる。

 
  染料が薄いのか? ひび割れが太すぎるのか?
 
  わかりにくいですが、このように亀裂ができたところで、これに使ったロウを採用決定



 木の葉の茂った感じをどうするか。
 点描で薄い色 ロウで点描 少し濃いいろ ロウで点描 もっと濃い色・・・を繰り返します。ロウの点々がはがれないように、こちらには伏せロウ(蜜ロウこれはちを多めに配合したもの)を使います。季節によって粘着具合が違うので少しずつ配合を変えています。ちょっと試しただけですが、丁寧にすればこれで葉っぱの茂った感じは出せるかもしれません。
 
 何とか出来そうと思えてやっと色付けに取り掛かりました。
 
 いい感じじゃない? これで完成だといいんだけど、これはロウで全体が覆われた状態。ロウ伏せと言います。ロウ伏せをするとなぜか色に深みがでできれいに見えるのです。しかも濡れているから乾いたときよりも色が鮮やかです。

 
 
 ロウを落として乾かすと白っちゃけた色になりがっかりすることもしばしば。それを防ぐには彩色しては革が乾くのを待ち、納得のいく色に染まってからロウを伏せ、また別の色を染め、乾かし、ロウを伏せる。の繰り返しです。この作業、わたしはあまり苦になりません。

 遠くの山脈はロウを置かず絵を描くように。 下の方は伏せたロウを少し落として出来具合を見たところです。最終的には広範囲のロウをすべて落とし、水洗いして、粉のようなロウまで取り除きます。
 
 
 
 
 
 革を染めるのと並行して
 作品を立体的にするために、紙粘土で山を作ります。革は伸びやすいので、芯があるとそれに沿って形作れるのです。
 
 ここからが自画自賛したいところ。
 
 1革を貼り付けるパネルに、カーボン紙で下図を写す。
 2パネルに透明のビニールをかぶせて、板の下図通りに粘土を置く。
 3乾いたらビニールから外して染めた革に貼り付ける
 
 やったあ、思惑通りにいきました。いつもは最後にこの作業をしていたので、革とずれた形になったり乾かなかったりとうまくいってなかったのです。しっかり乾いてすぐ貼り付けることができた、ちょっとだけ賢くなったなあ、と自分で自分をほめていたのですが・・・
 500グラム入りの紙粘土14個。
 お、重い!! 5キロ以上の紙粘土でしたが乾くと軽くなるはず、と思ったのが甘かった。
 


 持ち上げられないのです。これはだめだ、急きょ軽い紙粘土を買って作り直しました。 カラフルなのは、お店の紙粘土を買い占めたから。 
 乾燥が間に合いません! 浴室乾燥で乾かしました。
 
 
 
 下図通りに紙粘土を貼り付け、その上に染めた革をかぶせて貼り付けます。やれやれ、何とか間に合いそう。しかし、おかしい?なんで革と紙粘土がずれるんだろう。ボンドをつけずにおいてみた時はぴったりだったのに。
 結局、紙粘土を削り、革の輪郭と合わせたのですが、その結果は?
 
 ここでクイズ
さて、下の三つの写真、よく似ていますがどこかが違っています。
 
 A  貼り付け前、出来上がり 予定通りの作品
 B 貼り付けを失敗した作品
 C 修正した作品
 
 どれがどの作品でしょう。 色合いの違いは光の塩梅ですので関係ありません。

写真1


写真2

 
写真3


 正解は
 A   こんな風に出来上がるはずだったのにー写真2
 B  貼ってみて気が付いた、右に大きく傾いている。ー写真1
 C  なんとか傾きを調整ー写真3 岩がお饅頭みたいになったけどこれは修復できません。あきらめるしかない。

展示場ではライトが左から当たる場所に飾ってくれていました。


 
ところでー
これを見たウマオパパ
 
 季節は5月ですか? 
 ブブー 8月終わりです。わたしね、太陽と天狗岳をぐっと近づけたのよ。
 そうか、5月だともっと緑がまばらなんですよ。
 さすが山男。そこまで分かってるのか。だからね、これは石鎚の写生じゃないの、石鎚に似た山の創作。
よかった、先に言い訳を考えていて 。
 
 今度は瓶が森からの石鎚を描いてください。ぼく、あの石鎚が一番好きなんです。 
 
 氷見2千石原から見たら笹と白骨林と石鎚が描けるねえ。誰もが写真にしたり絵にかいたりしているあの風景が脳裏に浮かびましたが・・・わたしまだ女山の頂上を極めてないのですよ。
 


 
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