セミ 「虫の絵本」 まどみちお作詞 吉岡弘行作曲 児童(女声)のための合唱組曲 より
土の中から けさでてきて
もうセミが うたえてる
ならったことも ない
きいたことも ない
とおい そせんの うたを
とおい そせんの ふしで
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
うたは もえて もえて
こずえへのぼり くもへのぼり
くも つきぬけて そらへと のぼり
たいようの てに すくわれて
そのゆびに あそんで ちりこぼれ
きらめき ながら
ゆらめき ながら
またふるさとの うみやまかわへと
しんしん しんしん まいおりてきて
つちのなかへと しみとおっていく
子どもの頃の夏休み、夕方の日課はあなぜみ(セミの幼虫)をさがすこと。地面に空いた小さな穴を見つけ、棒をつっこんで中に何かが存在することを確かめます。 運が良ければぎらっと光る目が見えることも。
それから、手で水をすくってきて穴の中に流し込みます。 すると、水攻めにあってはかなわないと幼虫が這い出てくるのです。
捕まえた幼虫は家に持って帰ってタオルにとまらせます。 タオルのループがちょうどうまく足にひっかかって、無事に羽化ができるからです。 そうやって何度も何度もあきずに羽化をながめたものです。 殻を破って出てきたばかりのセミは薄緑色で、羽が透き通り、とてもきれいでした。
羽化したセミは、電灯の光の下で夜中にも鳴き出すことがあります。
そのころ、クマゼミはこどもにとって貴重品でした。 大きくて、透き通った羽を持ち、 それこそ空へも登るような大音量で鳴いていました。 魅力的なセミでしたが、数が少なかったのです。 だから捕まえようものなら宝物を取ったようにうれしかったです。
それが・・・・
実家のハウスの中にいたらクマゼミが飛んできました。 黒い寒冷紗が安心感をさそうのかずっとじっとしていてくれました。
今ではアブラゼミよりもクマゼミの方が多いのではないかと弟はいいます。 朝から大音量で鳴くのでうるさいほどだと。 たしかに全国的にもクマゼミが増えてきたと聞いています。
さらに、梅雨明けに真っ先になくニイニイゼミの声が少なかったような気がします。 この声をきくともうすぐ夏休み。夏が来た!と嬉しくなる声でした。 さらにアブラゼミはわたしには「休みだバンザイ」 と聞こえました。
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
たいよう ばんざい ざい ざい ざい
セミの声は一日中響いていますが、なぜかうるさいと思ったことはありません。 逆にひぐらしのかなかなかな・・・・という声を聞くとさびしくなりますね。 「もう少し夏よとどまれ」と願います。
ところが、ここ2,3年梅雨明け頃にヒグラシの声を聞くのです。 セミの世界もなんだかおかしい・・・・・