越美北線の終着駅九頭竜湖駅で折り返し(14:35発)、途中の7つ目の駅、越前大野駅まで帰ってきました(15:06着)。
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越前大野駅。1960(昭和35)年に開業した駅で、中身はコンクリート造りですが、2003(平成15)年に外壁や内装に特産の木材を使用して近代的な駅舎に生まれ変わっています。
越前大野は織田信長の家臣、金森長近が安土城建設の翌年から亀山に城を築き、碁盤の目のような通りを備えた城下町を造営したのが始まりです。今も小京都と言われる昔の面影が色濃く残されています。
特に城下町のそこここから名水が湧き出て名水百選「御清水(おしょうず)」、平成の名水百選「本願清水(ほんがんしょうず)」などの湧水地が点在し、排水路(下水)が張り巡らされています。今でも多くの家庭ではホームポンプで地下水を汲み上げ、飲み水やお風呂なその生活用水に利用しているそうです。
目にした名水の数々です。
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先ず、駅の側には「駅清水」がありました。ここからあふれた水が駅前広場の水路を流れて行きます。
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駅から15分程歩いた観光案内所、結ステーションにある「芹川清水」。
ここから流れこむ芹川用水は江戸時代には武家屋敷と町民が住む地域との堺となっていました。
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その近くの「水舟清水」。かつて谷や川から取水した水を利用するための貯水槽だった水舟をかたどっています。
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結ステーションの広場に立つ鐘楼。
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その近くにある「御清水(おしょうず)」は大野を代表する湧水スポットで、かつては城主の御用水として使われていたことから「殿様清水」とも呼ばれています。
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一番奥の水が湧き出ている所は飲用のみ、
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下にくだるにつれて、野菜洗い用、洗濯用と用途が分けられています。
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越前大野城がそびえる丘の南側を流れる新堀川沿いに涌く「新堀清水」。新堀川にはきれいな水にしか住まない天然記念物イトヨも住んでいます。
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「五番名水庵清水」。五番商店街の案内所前にあり、汲み上げた地下水を水場に出しています。
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「石灯籠会館清水」。観光客用の無料休憩所石灯籠会館の前にあり、地下水を汲み上げています。水を汲みに来ている人達がいました。
大野の町ではペットボトルを持ち歩けば、どこでもおいしい水を汲むことができて、自動販売機で飲み物を買わなくてよくて大助かりでした。
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石灯籠地蔵尊。城下町を建設する際に測量の基点とした所です。ここから東に向かって石灯籠が並び、石灯籠通りと言われています。
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寺町通り。9宗派16ヶ寺が通り沿いに集められています。
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観光案内所でもらった「越前おおの 食べ歩き見て歩きマップ」。
いろんなお店で使えるチケット5枚分がついていて、とてもお得です。
他に観光施設入館とまちなか循環バスが2日間無料になるパスポートももらえました。とってもとっても、お得。
でも、これをもらえるチラシを越前大野駅で駅員さんがくれなかったら、こんないい券があるなんて夢にも知りませんでした。(無料になったのはJR越美北線を利用して越前大野に観光に来た人だけで、普通は合わせて1100円で購入するものでした。)
それに、駅でもらったチラシをマップとパスポートに交換できる観光案内所が駅前になくて、駅からはるかに離れた所にあるので、先ず乗ったバスではせっかくのパスポートを使えずとても残念でした。駅には観光案内所がなくて、地図が置いてあるだけなのは、観光に力を入れているらしい町としては大きな手抜かりでしょう。
駅からお城の方に向かうのにも聞く人がおらず、始め反対の方に向かって歩いてしまいました。
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寺町通り近くのお店で夕食を食べました。
しょうゆカツ丼に、「食べ歩きマップ」のチケット2枚でミニおろしそば(右上)と本日の小鉢(上中央)をつけてもらえました。満腹、満腹。
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泊まった宿はお城の麓の元武家屋敷跡で、夜は窓からライトアップしたお城が見えました。
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宿の庭の池にもイトヨがいるとのことです。