ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

松ヶ崎の涌泉寺

2005-10-29 22:27:18 | 松ヶ崎村風土記

松ヶ崎小学校の東側の道を少し山に向かってあがっていくと、 涌泉寺があります。
本堂は1654年に建てられた講堂をそのまま本堂にしたもので、大変古い貴重な建物です。
お寺の境内に松ヶ崎保育園もあります。
毎年8月15・16日の夜に、お寺の前庭で、「南無妙法蓮華経」のお題目にあわせて、 単調な動作がゆっくりと繰り返される踊りが踊られます。
これは「題目踊り」と呼ばれていますが、この踊りの起こりは、 1307年(徳治2年)7月16日松ヶ崎村をあげて日蓮宗に改宗した時と伝えられています。
平安時代から松ヶ崎にあった歓喜寺は比叡山延暦寺に属する天台宗のお寺でした。 歓喜寺の実眼というお坊さんが、ある夜、白狐に乗った翁の夢を見ました。 この翁は「洛中へ行って、日輪の像を拝みなさい。」と言いました。 あくる朝お告げの通りに洛中へ行くと、説法をしている一人の僧に会いました。 名前を尋ねると日像という名でした。実眼はこれこそ日輪の像だと悟り、この日像の話を熱心に聞いて、 大変感動し、今まで信じていた天台宗を捨てて、日蓮宗を信じるようになりました。 実眼は村人にもこの教えを説きましたが、村人は固く心を閉ざして、なかなか受け入れようとしません。 そこで、、ついに、実眼は日像を招いて、二夜三日説法をしてもらいました。 すると、老若男女、470人あまりの村人がみんなその教えに感心して改宗しました。 村人が全員改宗したのを知った実眼は、喜びのあまりに踊りあがって太鼓を打ち、 「南無妙法蓮華経」と唱えました。すると、村人も次々と実眼の後から「南無妙法蓮華経」 と唱えながら踊った、これが「題目踊り」の始まりと言われています。
毎年7月15・16日の両日行われていましたが、明治になってからは8月15・16日に行われています。
午後9時から涌泉寺の境内で地域の人たちが50人程、輪になって踊ります。揃いの浴衣で、女性は腰に前垂れ、たすき掛けをしています。 動きの少ない地味ーな踊りです。
この「題目踊り」の後、休憩をはさんで盆踊りの一種「さし踊り」も踊られます。
踊るのも、見るのも、ご近所の村人ばかりのこじんまりした踊りの輪でしたが、 最近は、カメラ撮影に来る人や、遠くから見物に来る人も増えてきたようです。
(2003年8月16日)

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