イタリア・ルネサンスには興味が尽きないのですが、名画に描かれたバラについて。
バラ栽培に対する気持の一端なので。
ルネサンスの光と闇を駆け抜けた画家と言えば、
サンドロ・ボッティチェリ(Sandro Botticelli 1444?-1510)の名が浮かびます。
辻邦生さんの長編小説「春の戴冠」(1977)には、
メディチ家(Medici)の花形画家としての栄枯盛衰が、
瑞々しく叙情的に描かれています。
ボッティチェリのあまりに有名な大作、「春」(La Primavera 1482)、
そして「ヴィーナスの誕生」(La Nascita di Venere 1485?)には、
以前から強く惹かれていました。
いつか、フィレンツェ(Firenze)・ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)を訪れたいと。
そんな中で、「春」に描かれているたくさんの草花。
いったいどんな花なのか、その名前にも好奇心がわきます。
一説に500種類とも言われています。
バラ・スミレ・タンポポくらいでしょうか、絵を見て私にわかるのは。
そして、「ヴィーナスの誕生」です。
花の女神フローラを抱いた西風の神ゼフュロスが吹き付ける、
ヴィーナスの愛の象徴としてのバラ。
実は、このバラの由来が前々から気になっていたのです。
これは、オールドローズ「アルバ・セミプレナ」(Alba Semi-plena)
という解説があります(週刊花百科バラ1 講談社 2004/2)。
「・・・・ヴィーナスを、祝福するかのように舞う白いバラ・・・・」
でも、セミプレナは写真では純白、名画の方はどう見てもピンク(画像に一輪!)。
これ、ホントにアルバローズなんですか?
それが、率直な感想というか「?」です。
白もピンクもあるんでしょうか。
とは言え、500年以上も前、トスカーナの青い空の下、
まさに花の街フィレンツェを彩ったに違いない、
ボッティチェリの選んだあのバラに、思いは飛んで行きます。