東濃の恵那峡の辺(ほと)りにある「恵那峡国際ホテル」※は、このブログでも2度も見直した評価上昇の宿なのだが、その高評価の一番のポイントである温泉の”濃さ”ついて、その指標の1つの電気伝導度の値は過去の記事では、当時使っていた水質検査器の都合で”計測不能”だった結果のままになっていた。→その記事
※:「湯快リゾート」という安宿チェーンの1つだったが、「湯快リゾート」が「大江戸温泉物語」と対等合併したものの「大江戸温泉物語」のチェーンの1つとなった。サービスに大きな変更はないがビュッフェバイキングは質素になった感。
その時の測器は通常(低張性)の温泉用で、ここのようにとりわけ濃い(高張性)と桁が違って計測範囲外となってしまうのだ。
そこで、計測範囲が広い水質検査器を購入し、本日、年度末の慰労の温泉旅としてこの宿に投宿したので、早速、大浴場の湯口でサンプルを取って計測し、その結果を示す。
まず温泉の泉質は「カルシウム・ナトリウム塩化物泉」。
大抵高張性の温泉はナトリウム泉だ。
実際、湯に口をつけると、それだけで塩っぱさを感じる。
なのでまず知りたい塩分濃度は1.68%(計測時の水温は28.8℃)。
この濃度は味噌汁だと濃すぎる値(煮物に匹敵)。
酸化還元電位(ORP)は、+803mV と酸化側に傾いている。
ただ酸度(pH)は7.16とど真ん中で中性。
そして前回計測不能だった電気伝導度(EC)は、通常の単位のμSではなく、その千倍のmS単位に自動変換されて28.9と出た。
すなわち他の温泉と同じ単位で示すと、28900μSとなる(他所より1桁多い)。
温泉の濃度は溶存物質の量で決まるので、その値である総溶解固形物(TDS)は、これも通常の単位ppmではなくその千倍の単位で14.4pptと出た。
ppmで示すと14400ppm(これも1桁多い)。
以上の温泉の濃さの指標(EC,TDS)では、ここの温泉の濃度は、私が気に入っている同じ東濃の中津川温泉より5倍は濃い。
日本の温泉で最も多い「単純泉」、すなわちそこらの日帰り温泉の10倍は悠にある。
簡単に言うと、”味噌汁より濃い”温泉なのだ。
ただ、注意してほしいのは、同じ”恵那峡の温泉でも宿によって濃さは全然違う。
私があえて宿名をタイトルに挙げているのはそれが理由。
温泉がここまで濃いと、浸透圧がすこぶる高い、ということで、湯の成分(カルシウム、ナトリウムなど)が肌から体内に浸透していく。
というわけで温泉目当てなら、あえてここに泊まる価値がある※。
※:ただし食事は(バイキング)については、関東メインの安宿チェーン「伊東園」に逆転され、さらに差が広がっている感。