今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

忘れ去られる人々

2006年04月10日 | 雑感
実家近所の桜の名所を散歩しようと、昨日は谷中、今日は染井(ソメイヨシノの発祥地)に行った。
どちらとも広い墓地だ。なので桜以外に墓にも目が行く。
けっこう立派な墓が手入れされずに荒れつつある。
昨年から、小笠原氏やウチの先祖の墓参りに行くようになって、身近な無縁仏を目の当たりにしてきた。
これは山根や寺島家だけの問題ではなく、日本全体が、
少子化によって家の墓を受け継ぐ者がいなくなっていることを意味する。
2つの家の一人っ子同士が結婚して1つの家になるとすれば、それだけで残る家は半減する。
更に家でなく個人の墓だと(有名人でないかぎり)、絶対に継承されないのでもっと悲惨(管理者には邪魔)。

あと谷中や染井などの大きく歴史のある霊園には、江戸時代からの碑がたくさん建っている
(曽祖父の碑に出会ってから、にわかに碑に関心をもったわけ)。
それらは個人(儒者や医者など)の業績を讚えたものだが、
その碑を読む人がまったくいない(花見客はなおさら)。
確かに碑文は漢文(白文)で句読点もないから読みにくい。
さらにこのままだと風雨にさらされて物理的に判読不能になる。
故人に対する特別な思いやエピソードを刻み込められた碑は、
歴史的にも意味があろうし、まずはその思いを知りたい。
霊園に建つ碑ひとつひとつを、読み下して解説してくれると、
その故人や建てた人の思いを忘れないで済むのに。
本ではなく、碑の横に解説板があるといい(碑として公開しているんだから個人情報は問題ないはず)。
こういうことやってくれる NPOとかないものか。