卒論提出締め日の今日、私のゼミ生も全員卒論を提出できた。
私のゼミとしては、最終日の締切時間に余裕で間に合ったのは珍しい。
私のゼミ生の仕事が遅いのではなく、私がなかなかOKを出さないからだ。
締切に間に合う間は、より完璧を求める。
それが私の方針だから。
こんなこと、卒業後の仕事の世界では当たり前のこと。
その世界に人材を送り出す者として、それに耐えうることが送り出す要件である。
学生たちは、文句ひとついわず、その試練に耐え、粘りに粘って卒論を書き上げた。
私の責務は果たしたつもりだ。
この学生たちの力を引き出すのは採用側にかかっている。
ただ、A4一枚に資料をまとめることは求められても、1万数千字もの論文を書くことは二度とないだろう。
理系でない分野で、ものごとをじっくり考え、データを収集して分析することが必要な職場って、どれほどあるだろうか。
結局、学生に求められているのは、天性のコミュニケーション能力に社会常識と経験だったりして…。
それを思うと、むなしさを禁じ得ない。
とにもかくにも、これで私の年内の仕事はほとんど終えた。
帰宅後、スパークリングワインの栓を抜いて祝杯。