広島へ鈍行列車の旅

2018-12-20 06:41:01 |  2018-2019瀬戸内逍遥
岡山から広島まで在来線の普通列車で行ってみた。
普通列車とわざわざ書いたが、この区間在来線で普通列車以外は走っていない(はず)。
新幹線があるからね。
ホームに入線してきたのは少し古めの黄色い電車だ。



クロスシートとロングシート(ロングでないのでイメージ違うが、横坐りするシートを言ってる)が混在したやつかと思ったら、クロスシートオンリーの車両だった。
走行中のモーター音と、ブレーキの圧縮空気ボンベが奏でる音が懐かしい。
車窓は郊外の家々と田畑や荒地が繰り返し現れては過ぎて行く。



岡山から離れるにつれて乗客はどんどん少なくなる。
窓からの冬の日差しに暖められて、少し眠った。
気づいたら尾道駅だった。
ありゃしまった。
尾道手前で海の横を通るので、海を車窓から撮ろうと思っていたのに。
まあ、尾道を過ぎたところでまた海沿いに出たので、そこで海を見ることができた。



岡山から広島まで、在来線で一本の列車では行くことはできない(はず)。
今回は糸崎で一回乗り換え。
次の電車を待つ間、急いで駅のトイレを借りた。



次の電車はシルバーに赤いワンポイントの入った、新しい型の車両だった。
静かで揺れも少ない。
三原を越えてしばらくすると、グッと田舎になり、山陽線は山中の谷間を走るようになる。



西日本豪雨の爪痕か、川に架かる古い橋は流されたままだったり、山肌が崩れていたり、川に落ちた道路の路肩を工事してたりする。
そういえばJR呉線が15日にようやく全線復旧したとニュースにあったな。



西条は日本酒の三大酒処らしい。
しばらく前に見た日本映画で、西条を舞台にしたのがあった。
醸造所を舞台にした青春ストーリー。
そこで出てたカモツルの醸造所だろうか倉庫だろうか、白い大きな建物が車窓から見えた。
広島のお土産に日本酒を買ってしまいそうだ。



その辺りから徐々に乗客が増え始め、空いていた座席は埋まり、ほぼ満員状態で広島駅に着いた。
ほぼ3時間、新幹線だと40分のはずだ。
車窓から写真を撮って、文庫本を読んで、居眠りして、ぼんやり景色を眺めて…。
贅沢に時間を使い、ゆったりした心持ちになれた。
くせになりそうだな。



次の条件が揃うなら、乗り鉄するのをわざわざ企画してもいいかもしれない。
・2〜3時間乗り換えなく座っていられること。
・クロスシートの窓際に座れて、窓枠が使えること。
・窓枠に食べ物飲み物を並べて飲み食いしても咎められない混み方であること。(つまり空いてること。)
・冬場は暖かく、夏場は涼しく、車内に居られること。



これだけのために出かけるのは少し地味だから、旅の中に混ぜ込むのが良さそうだ。
青春18きっぷを手に入れてね。