菜の花咲く前に

2017-03-06 23:55:17 | その他旅行き
房総横断乗車券で行く途中下車の旅(四)

前夜、撮影計画を考えることなく飲んで寝てしまった結果をいきなり突きつけられた。
前日の小湊鉄道線と同じ感じで途中下車して撮影しようと、大原駅からの始発に乗って一駅目の西大原駅で早速下車。
しかしいすみ鉄道の駅は小湊鉄道の駅みたく立派な建物はなく、ホーム上のベンチを屋根と壁が囲うだけの簡素な造り。



興味ある部分を撮り尽くし、すぐに暇を持て余してしまった。
しかも寒い。
列車はほぼ1時間に1本である。
これは動かねば凍えてしまう。
幸いにしてその日は晴れ予報。
雨の心配はなかったので次の駅まで歩くことにした。



ところが次の駅までは線路から大きく離れた国道を歩くしかなかなく、途中で会えるはずだった上り列車を見ることができなかった。
大原駅から二つ目の上総東駅から三つ目の新田野駅までは線路脇を歩けるので、きちんと調べておけば最初の下車駅を上総東駅にできたのに。



歩きついた上総東駅でやって来た下り列車に乗り一駅、次の新田野駅で再び下車。
のどかな畑地が広がるところ。
雲間から朝陽が差してきれいなんだけど、鉄道施設とうまくコラボして撮影できず。
ここにも駅舎はない。
次の国吉駅は比較的近いので、また歩くことにした。
汽車に乗りに来たのか歩きに来たのか、よくわからんな。



国吉駅には駅舎があった。
古い国鉄時代の気動車が留置されていたりして、被写体に恵まれた駅である。
ホームの向こう側の広場には木彫りのムーミンキャラクターが居たりする。
雨ざらしなのでいたみが激しく、冬の野原の背景に溶け込んで、初めどこにいるのか分からなかったが。
いすみ鉄道はムーミン押しである。
黄色い気動車にはスナフキンなんかのヘッドマークが付き、車体や窓ガラスにはムーミンに出てくるキャラクターがいっぱい貼り付けてある。



しかし寒い。
国吉駅の待合室はドアを閉じれば風は防いでくれるが暖房はなく、しんと冷えている。
我慢できなくなって暖かい場所に退避したく喫茶店は無いかと街に出てみたが、まだ時間が早くお店はどこもやってない。
仕方なく待合室に戻り缶コーヒーで暖を取った。



いすみ鉄道の気動車は黄色いの以外に、昔の国鉄色のクリーム色と朱色のツートンの車両も走っていて種類豊富である。
が、国鉄色のもデザインは昔風だが車両は黄色い気動車と同じく最新型らしい。
何度も乗り降りしたが、巡り合わせが悪く毎回黄色い方だったので、朱色の方のエンジン音やら乗り心地は確かめられず。
あと休日にはレストラン列車が運行されているそうで、そちらは国鉄時代の古い気動車を使用していて、大多喜駅の車庫で待機しているのを見ることができた。
残念ながらその日は平日。
レストランは予約が必要だが、予約なしで当日乗って食べれるスイーツ列車なるものもあるらしい。
こんな寒中稽古みたいな撮影旅行でなく、美味しいもの食べて車窓の景色を楽しむ鉄旅になんでしなかったのだろう。



いすみ鉄道と言えば菜の花畑の中を走る列車の写真が思い浮かぶ。
でもまだその季節ではなく、菜の花はちらほらと咲き出したくらい。
だから人も少なく、良かったのはそれくらいか。
シーズン中はどんな状態になるのだろう。
撮影者を入れずに撮影するのが難しいんだろうな、きっと。




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