この歳になってと書いたけれど。
ゆきたんくは長男が29になるおじさんである。
そして、一人っ子で自己中が得意かもしれない。
その「自己」の反対の意味を持つ言葉については、じっくりと考えたことがなかった。
6月の旅でそれを知ることになる。
ゆきたんくは、2011年、2016年、2017年と3回長崎県を訪れている。
その最初に訪れた2011年に行きたかった場所があった。
2畳の聖地とだと言われている場所である。
医学博士の永井隆氏が亡くなるまでの3年間を過ごした如己堂(にょこどう) → Map
ここで急だが、長崎で医学博士であり随筆家である永井隆氏の話を書く。
永井隆氏は支那事変に軍医として出征し、河北・河中・河南で計72回の戦闘に従軍した。帰国後、長崎医科大学助教授に就任した。
戦時中は結核のエックス線検診に従事した。
フィルム不足で透視による診断を続けたために白血病に罹り、余命3年の宣告を受けた。
それから2か月後、長崎医大の診察室にてにナガサキ原爆を被爆した。
その後永井氏は、「永井千本桜」と呼ばれることになるたくさんの桜を各地に寄贈する。
浦上の人たちやカトリック教会の協力により、永井氏が療養を行うための庵が完成する。
「己の如く人を愛せよ」の言葉から、庵の名前を「如己堂(にょこどう)」と名付けた。
ヘレン・ケラーが見舞いに訪れたり、昭和天皇に謁見したりした。
浦上公民館でギルロイ枢機卿見舞を受けたこともある。
長崎市名誉市民にも推挙された。
「自己」の対極に位置する言葉は「如己」である。
なお「如己」は辞書に載っている言葉ではなかった。
キリスト者ゆえの命名であったのだと思う。