夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

風は、秋の色・・♪

2005-08-22 16:47:00 | 定年後の思い
東京の郊外は、晴れ渡り澄み切った快晴であった。

午前中は、ときたま雨が小降りとなって降ったり、止んだりしていた。

一日中、たえまなく風は吹いていたが、三十度を超えることなく、涼しげな秋の香りを感じさせた。
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創作者の孤独の不安・・。

2005-08-22 11:35:26 | 読書、小説・随筆
読売新聞の19日の夕刊で、
ひとつの記事がここしばらく気になっていた。
文化部の鵜飼哲夫・記者が綴られている記事だった。
これから創作者をめざす人々に、
教訓と覚悟、そして自戒を提示させる名文であるので、
転記させていただきます。

     『書くことの孤独と不安』
                   鵜飼哲夫・記者

「夫婦で小説を書くなんて、地獄だなあ」
若き日の吉村 昭さんと津村節子さんに、
痛ましそうな表情でそう言ったのは、作家の八木義徳である。

学習院の文藝部時代に知り合い、結婚した二人が、
いずれも作家として芽が出ず、
津村さんが
「書いても書いても波が消し去る砂絵のようにあてどない努力」を
していると感じていたころだった。

吉村さんは、芥川賞を4回落選。
津村さんは、3度直木賞を落ち、
1965年、2度目のノミネートで夫の取れなかった芥川賞を
37歳で受賞する。

夫婦の葛藤がいかなるものだったか。
吉村さんの著作『私の文学漂流』などでいくらか知っていたが、
このほど完結した『津村節子自選作品集』(岩波書店、全6巻)の
最終巻に収録された書下ろし『私の文学的歩み~遙かな光』を読み、
そのすざまじさに改めて息をのんだ。

1961年、津村さんの書く少女小説で、
なんとか生活ができるようになった時、吉村さんが勤めをやめ、
作家専業になった。
未熟児で生まれた娘を抱え、不安はあったが、
津村さんは
<彼の焦慮は、私のものでもあり、反対はできなかった>
と書いている。

しかし、それでも芽が出ぬ夫は2年後、
「俺は君の厄介になるのに疲れた」と、
再び働くと言い出す。

これに対して津村さんは
<疲れたのは、こちらのほうだ、と私は言いたかった。
「女房に稼がせて、悠々と自分の書きたい物を書いている俺を、
腹立たしく思っているのだろう」
彼は私の心の中を見通していて、反論できなかった。
軀の中を、野分が吹き抜けて行く様な気がした>
と書いている。

津村さんの芥川賞の翌年、
吉村さんは太宰治賞を受け、その後は読売文学賞など数々の賞に輝き、
二人は今、芸術院会員である。

しかしこの文章は、功成り名遂げた作家の安隠な回想ではない。
津村さんは、今も無名時代のように、書くことへの不安があるのだ。
<私はよく夜中にうなされてうめき声を出すらしく、
吉村に起こされる。
遙か海面に光が見えている深い海の中にいるような気持ちは、
今も続いている>
と記している。

松本清張も、晩年まで自作の出来を気にし、編集者に、
「面白い?」
と何度も聞く作家だった。

その清張を師と仰ぐ宮部みゆきさんも
「一作、一作ゼロからの出発ですから、不安なんです」
と語る。

書くことの孤独を思う。
それが文章を鍛えていくのだろう。
孤独の深さの中で、彼等が探り当てる日本語は、
読者の心を揺さぶる。


以上が全文である。
これから創作者を目指す人々には、
これ以上の教訓と覚悟、そして自戒はないと思われる。

私は、創作者もさることながら、野球選手の一流バッターでも、
春先になると、昨年まで三割を打てていたのだが、
今年はちゃんと打てるのだろうか、とそのバッターの心境を
思いめぐらす・・。
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朝のひととき・・♪

2005-08-22 08:35:00 | 定年後の思い
朝、六時過ぎに玄関庭にたたずんでいると、雨が降ってきた。
東京の郊外では、ここしばらく雨の恵みがなかったので、良いことと思っていたら、止んでしまった。

そして朝の陽が射して来た。
新聞を精読した後、主庭から小鳥のさえずりが聞こえた。
庭先に立つと、風が秋めいて、爽やかな私の身体を通り抜けてゆく。

煙草を取り出して、喫おうかなと思っていたら、バッタが私にまといついていた。

その後、蝉の声が静寂の庭に、響き渡ってきた・・。
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