夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

蒼穹&みゆき舞い降る初冬の十勝地方 ふれ逢い旅【11.12.20.~12.24.】 第4回

2011-12-26 22:43:33 | 
          第三章 糠平(ぬかびら)温泉、そして周辺は

帯広市の郊外にある十勝川温泉の筒井地域にある観光ホテルに連泊した後、
22日の11時過ぎにホテルの送迎バスの乗車し、次の宿泊地の糠平温泉郷に向い、
小雪舞う中を北上し、士幌、上士幌を通り、一時間ほとで、
積雪20センチぐらいの宿泊地の『糠平館 観光ホテル』に到着した。

http://www.nukabirakan.com/
☆『糠平館 観光ホテル』ホームページ☆

私たち夫婦は、レストランで昼食を頂いた後、
周辺を観光しょうと、フロントでタクシーを依頼し、最寄りのタクシーは士幌から着たが、
迎えの料金メーターは既に7000円を超えていたので、
やはり北海道は広いなぁ、と私は苦笑したりした。

その後、糠平湖の周囲を廻って頂こうとしたら、
小雪が降る中、この時節は氷結前であるので歩いても湖畔にも近寄れず、
周辺の道路からも霞〈かす〉んで視界が悪く、
やむなくダムの近場で湖の情景を眺めて、デジカメで10数枚撮って、帰館した。

そして指定された部屋に入り、浴衣に着替えて、風呂に入った。

http://www.nukabirakan.com/spa/
☆『糠平館 観光ホテル』ホームページ <== 温泉のご案内 ☆

このサイトで紹介されている通り、
大浴場は『木』と『岩』のふたつあり、それぞれ内湯と露天風呂がある。
私は内湯で身体を温めた後、前にある露天風呂に入った。
目の前は傾斜地で針広樹の森となり、下方は小さくなった川が流れ、
そして前方は丘陵に幾重かの樹木が観える景観の良い所である、

露天風呂の屋根は半分ほどで、私は前の方で入浴していると、
雪が強く降り変わり、頭の毛や顔も雪を受けたりした。

そして後方の屋根から、ときおり雪が落下してきたのに驚いたり、
私の在る所の上は、大きな樹木の枝葉に雪が積もっているので、
いつ雪が落下してくるのかしら、と時折不安げに見上げたりした。


或いは下方に川べりの付近には、『仙郷の湯』と称された露天風呂の館があるが、
私が入浴している場所からは、大浴場の入口の横の通りを少し歩いた後、
木の階段を40段ぐらい降り、館にたどり着く状態となっている。
雪は降る中、階段は積雪となっているので、滑らないかしら、と眺めたりした。

この後、小雪になった時、私は下方の川べりの露天風呂に挑戦した。
浴衣姿でこの40段ばかりの階段を下りたが、
足元は積雪で不安定、ときおり微風が吹くと、浴衣の裾は捲れ上がり、
寒い上に風吹くのは勘弁ねぇ、と心の中で叫びあげながら下ったのである・・。

何とか無事に館に着き、簡素な脱衣所で脱ぎ捨て、お湯に身をゆだねた。
男女混浴と称されているが、誰もいなく私は独り占めとなった。
積雪は30センチくらいで小雪が舞う中、
目の前の清流を眺め、川べりの樹木の情景に見惚〈みと〉れたりした。

私は齢を重ねても男女混浴は苦手である。
私の若き40代の半ばの頃、別所温泉に行った時、ある由緒ある観光旅館に宿泊し、
誰もいない大浴場で、ゆったりと身をゆだねていた時、
40歳前後の女性3人が入ってきた。
『あらぁ・・男の人・・独り入っているわ・・
でも・・あたしたち三人だから・・』
と悠然と入浴してきたので、私は圧倒されて、慄〈おの〉のいて片隅に移動したりした。

こうしたささやかな体験もあるので、たとえ同性であっても、
大浴場、特に露天風呂は静けさの中で、身も心も湯にゆだねたいのである。

たまたま今回は小雪舞い降る中で露天風呂は独り占めの贅沢なひとときを過ごしたが、
冬の旅を重ねてきたが、10回目ぐらいかしら、と指を折りながら微笑んだりした・・。


この糠平湖の周囲は、山なみが迫る地域で、大雪山連峰の東部に属し、
この時節でも雪が降り、ときおり止むといった状況であった。
私は小学校に入学した幼年期より、みゆき舞う情景に魅了されているので、
部屋の窓辺、ロビー、レストラン、大浴場などで、飽きずに見惚れたりしていた。

                              《つづく》

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蒼穹&みゆき舞い降る初冬の十勝地方 ふれ逢い旅【11.12.20.~12.24.】 第3回

2011-12-26 10:36:44 | 
          第二章  『十勝川 国際ホテル筒井』に再訪、そして郊外を散策すれば

20日の午後3時20分に予定通り『とかち帯広空港』に着陸した私たち一行は、
宿泊先の帯広市の郊外にある十勝川温泉の筒井地域にある観光ホテルの送迎バスの乗り込んだ。
ここで初めて私は、今回の旅を共にする方たちのメンバーを知った。

羽田空港で旅行会社の方に参加最終チエックしたが、お互いにフリーの状況であり、
ただ航空便が指定されただけであったので、参加メンバーは不明であった。

私たちは送迎バスの車内で、60代、70代前半の夫婦が多く、
後で知ったのであるが独りで参加される男性5名、女性1名で、総勢23名であった。

私たち夫婦は、この後の宿泊地の食事処、ロビーなどの館内で、
共に旅する70代前半の3組の方たちを中心に、さりげなく談笑を重ねたりした。
そして現地にお住まいの方たちとも、私は何かと教えを受けながら、
ひとときを言葉を交わし、一期一会を享受した・・。

夕暮れが山なみに染め、そして大地は雪原の広大の情景を観ながら、
一時間ばかり車窓から鑑賞し、宿泊地の『十勝川 国際ホテル筒井』に到着した。

http://www.tutui-h.com/
☆『十勝川 国際ホテル筒井』ホームページ☆


この観光ホテルは、私が定年退職の翌年の2005年5月下旬に、
知床観光船で早朝にウトロから出航し、日の出の頃に洋上から知床岬を観る貸切クルーズに魅了され、
団体観光周遊ツアーに参加した3泊4日の中で、たまたまこの観光ホテルに宿泊した体験があったので、
6年ぶりの再訪となった。

しかしながら、忘却とは忘れる事なり、と名言されたれ菊田一夫〈きくた・かずお〉氏の通り、
《 日本随一 天然植物性 モール温泉 》で、
《 肌にしっとりとなじみ、湯上りに肌がしっとりツルツル効果を実感する美人の湯 》
と明記されたポスターを見た記憶だけが鮮明に残っている。

その当時の私は、入浴後にポスターを見ながら、家内たちの女性なら喜ばしい限りであるが、
年金生活の駆け出し私は、温まればどうでもよいわ、と苦笑したりしていた。


再訪した観光ホテルは、リニューアルされて、
《 真心美人のおもてなしの宿 》と称されて仲居さんの30数名を見かけたが、
男性の私としては、ひとりの小柄な黒髪の仲居さんに見惚〈みと〉れただけであるが、
全般としては溌剌と笑顔を浮かべながら、健気に動く感じは好感させられた。

私は早寝早起き元気な児に徹し、入浴後はビールを吞み、
持参した新書本の二冊を布団の中で読んだり、まどろみながら昼寝をしたりした。
そして、この間のひととき、この周辺をマイナス数度ぐらいの中、
5キロぐらいを歩き廻り、帯広の郊外の情景を観て、思索を重ねた・・。

シンガーソングライターの中島みゆきさんが、
小学時代の後半の頃から、帯広市の学校に学び、高校まで過ごされた情景に思いを馳せたりした。

或いは亡き作家の福永武彦(ふくなが・たけひこ)の遺〈のこ〉された作品を思い浮かべたりした。
私は若き20代の前半に、文学青年の真似事をしたことがあり、
氏の作品に魅了されたひとりであった。

たまたま『草の花』を読みだして、圧倒的に魅了された後、
『風土』、『夜の時間』、『冥府・深淵』、『愛の試み』、『心の中を流れる河』、『 世界の終り』、
『廃市』、『告別』、『忘却の河』、『海市』、『死の島』などを精読したりした。

氏は敗戦後の1945年、治療と疎開のため北海道帯広市に移り、
3か月ほど滞在したのち一時東京に戻るが、
翌年り1946年に再び帯広に渡り、帯広中学校(現在・柏葉高校)の英語教師として赴任する。
その年に処女作「塔」を発表された後、冬に肋膜炎を再発し、
1947年秋に手術のため上京し、清瀬の東京療養所に1953年まで入院した。
そして後年に、『心の中を流れる河』の作品は帯広を舞台に綴られている。

このようなことを思い馳せながら、
遠方の2000メートル級の山なみが雪で光輝き、高い大空は青い空が果てしなき拡がる蒼穹(そうきゅう)、
そして大雪原は陽射しを受けて、まばゆい光を帯びている中、
歩いたりした。

家内と共に歩いたりした時は、頬が寒いわねぇ、と家内は言ったりしていたが、
凛とした冷気の中、私は微苦笑をしたりした。

夜のひととき、中島みゆきさんの学んだ高校は、時代こそ違うが、
福永武彦さんが一時時期に英語教師をされていた高校と同じと思われ、
中島みゆきさんも『草の花』、『心の中を流れる河』、或いは『告別』を読まれた、
と私は確信を覚えながら、ぼんやりと思ったりした。

                              《つづく》

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする