夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

年金生活の最大のボーナスは、程々な自由時間を過ごせること、と老ボーイの私は微苦笑して・・。

2015-12-10 14:28:07 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の71歳の老ボーイの身であるが、
先程、ぼんやりとテレビのニュースを視聴していたら、
国家公務員に冬のボーナスが支給され、管理職を除く行政職職員(平均年齢36.4歳)の平均支給額は
平均65万8600円と報じられていた。

そして私は国の重責に日々奮戦され、ご苦労さまでした、と心の中で呟(つぶや)いたりした。

過ぎし2週間前の頃から新聞の折込みチラシなどで、お歳暮の商品、クリスマスの贈り物、御節料理など、
掲載されているので、早くも歳末に向っている、と私は教示されたりしている。

私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして雑木の多い小庭に古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。
          
       
一週間前の頃、こうした折込みチラシを家内が見ていた時、
『世の中はまもなく、冬ボーナスの時期時かしら・・』
と家内は私に言った。

『そうだょねぇ・・僕の現役時代は5日だったし・・
確か官公庁の方たちも10日だった、と記憶しているょ』
と私は苦笑しながら家内に応〈こた〉えたりした。

『私たち、この時節にボーナスもなく・・少し寂しいわねぇ』
と家内は私に言ったりした。

『でもねぇ・・こうして過ごせるのだから』
と私は苦笑しなが家内に言ったりした。

『そうよねぇ・・働らなくとも・・何とか生活できるのだから・・』
と家内は微苦笑しながら、私に言ったりした。
       

先ほど、ぼんやりとベランダに下り立つと、
年金生活11年が過ぎ、12年生となった昨今は、曜日の感覚も定まらいが、
やがて私がサラリーマンで奮闘していた時、ボーナスを頂いた時が想いだされた・・。
          

私は20代の頃の独身時代は、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ、通勤靴、通勤バックなどを買い揃えて、
母に幾ばくかを手渡し、そして呑み屋さんに通っても、程々の貯金が出来たりした。

やがて30代の初め、結婚し、賃貸マンションに入居するまで、
何かと無知な私でも、新婚生活を始めるまでは結構お金を要すると実感させられ、
やむえなく生家の長兄から、ある程度の額を借用したので、ボーナスを頂くたびに返済した。
そして賃貸マンションで私たち夫婦の新婚時代を2年間過ごしたが、返済していても多少の貯蓄は出来たりした。

この後、私は生家の近くに一戸建てをして、土地、住宅建築まで多大な経費となり、
その上に何かと単細胞の私は、若さの勢いで家屋の中に茶室を設けたりした。

こうした根底には、家内は中学生から茶事を学んできたので、どうせ借入をするのだから、
多少多くなっても大勢に影響がないと、高揚しながら、
住宅金融公庫を根底とし、幾つかの金融機関からローンを設定したりした。

こうした関係もあり、このローンが50代の初めの頃まで、
ボーナスを頂く度に若い時は30%前後、その後の40代は25%前後を返済していた。

この最初の2年間は、何かと家廻りの出費が多く家計は赤字となり、
私は蒼色吐息のような孤軍奮闘していたが、
結婚してから専業主婦だった家内は、状況を察して、デパートの和服売り場で契約社員として働き、
我が家の2年間の家計に、多大に貢献してくれたことも事実であった。

こうした私としては困窮してしまった2年間であり、
住宅に関する購入は、普通のサラリーマンの身としては、人生で一番高い買物かしら、
と心身実感させられた時代であった。

50代の初め、遅ればせながらローンの一括返済をした後、
老後の人生設計の基礎となす資金の為、貯蓄を大半し、定年退職を迎えた。

こうした中、ボーナスを頂だした週末の土曜日には、お世話になった知人、
私の母宅などに、お歳暮廻りをしたりしていた。

このようなボーナスを頂くたびの軌跡であったが、
どなたも同じと思われるが、サラリーマンの現役時代には大波、小波に遭遇し、
家内と共に何とか乗り切り、私は家内を戦友と思いながら、今日を迎えている・・。

私は築後37年の古惚けた家に住み、程々の広さの小庭で樹木を眺めながら、
あんな時代もあった、と思いを馳(は)せたりしている。
                  

私は中小企業の多い音楽業界のあるレコード会社に35年近く勤めて、2004年〈平成16年〉の秋に定年退職した身である。

しかしながら最後の5年間はリストラ烈風の中、30年間奮戦してきた本社から放り出されて、出向となり、
つたない私なりに失墜感にさいなまわれたりした。

そして出向先は、各レコード会社がCD、DVDなどの音楽商品を委託している物流会社で、
不馴れな職場で、自分の敵は自分です、と自身を叱咤激励して奮闘し、出向先で定年を迎えた。
        
私はサラリーマンの身として、年収1千万円台で何とか卒業できたが、
大企業で栄進された方、或いは官公庁の上層部のように高額所得地位にも成れず、
程ほどの年収、退職金、金融資産となったりした。

もとより日本は長年、大企業数は1%で、中小企業数は99%の実態の中で、
大企業と中小企業の企業間格差について『7・5・3』があり、
大企業に対し中小企業は、月給が7割、賞与5割、退職金は3割、と一般的にそれぐらいの差がある、
と伝えられきた・・。

私は中小業の外資系会社に勤めて、この間に幾たびのリストラの中、
何とか障害レースを乗り越えて、定年を迎えることができたので、敗残者のようなサラリーマン時代を過ごした。

このように私のつたないサラリーマン時代であり、もとより一流大学を卒業され、大企業、中央官庁などに
38年前後を邁進し栄達されたエリートとは、遥かに遠い存在である。

私の現役時代の財産といえば、その時代と共に過ごした名曲の数多くが心に残り、
そして上司、同僚、後輩と共に音楽業界の空気を共にできたことである。

こうした中、OBの懇親会などの会合の時なので、流行(はや)った曲名でその時代を表現し、
そうだったよね、とお互いにうなづいたりしている・・。
                  

定年退職後、多々の理由で年金生活を始めて、近くの遊歩道などを散策したりすると、
こんなに自由に散歩できるなんて、許されても良いのかしら、
と定年直前までの多忙期を思い重ねたりし、戸惑いながら甘受したりした。

何よりも朝の陽射し、昼下がりのひととき、そして夕暮れ時に、
ゆっくりと時を過ごし、苦楽の激しかった現役時代を思いながら、微苦笑を重ねたりする。

そして私は年金生活の当初から、平素の買物を自主的に専任者となり、
独りで殆ど毎日のように家内から依頼された品を求めて、
最寄のスーパーに買物に行ったり、或いは駅前までの片道徒歩20分ぐらいのスーパー、専門店に行ったりしているが、
根がケチなせいか利便性のよい路線バスに乗るのことなく、歩いて往還している。

その後、自宅から数キロ以内の遊歩道、小公園などをひたすら歩き廻ったりして、季節の移ろいを享受している。
          

こうした私の根底には、定年前のサラリーマン時代の私は、数多くの人たちと同様に多忙で、
家内は長らく専業主婦をしてきたので、家内なりの日常ペースがあり、この合間に趣味などのささやかな時間で過ごしてきた。
         
そして定年後の年金生活を始めた私としては、このペースを崩したくなく、
午前中の殆どは、買物専任者とか散策で外出したりしている。

午後からの大半は随筆、ノンフィクション、現代史、総合月刊雑誌などの読書、
ときおり20世紀の私の愛してやまい映画を自宅で鑑賞したり、
或いは音楽も聴いたりする時間を確保したく、積極的に買物メール老ボーイとなった。

そして私は家内が外出する時は、殆どボディガード兼お供となり、
最寄のホームセンター、スーパーなどに買物に行く時、荷物持ちの責務を果たしている。
 
或いは私がときおり小庭の手入れをする時、年に4回ぐらい家内が手助けをしてくれる。

こうした中、せめて家内が煎茶、コーヒーを飲みたい時を、
私は素早く察知して、日に6回ぐらい茶坊主の真似事もしている。

このような年金生活を過ごしてきた私は、
年金生活の最大のボーナスは、程々な自由時間を過ごせること、と思い深めて微苦笑したりしている。
          
                            
そして年に4回ぐらい私たち夫婦は、人の多い都心に買い物に行ったり、
或いは最寄の駅前などで、働いて下さる現役の諸兄諸姉の溌剌な姿を見たりする時は、
何かと短期で成果を問われる今日、常時リストラ時代、といわれたりして過酷な時代になっている、
と深く憂いたりしている。

私は何かと働いて下さる現役の諸兄諸姉に注視するのは、
もとより日本の社会保障制度の年金、医療、介護の基盤は、
高齢者が使う費用は、その時の現役世代が保険料や税で負担する財政方式(賦課方式)を取っているので、
働いて下さる現役世代の諸兄諸姉が、その時の高齢者を支えている現実からでもある。

ときおり私たち夫婦は、共通趣味の国内旅行に行く時、東京駅とか羽田空港の待合所で、
やはり働いて下さる現役の諸兄諸姉の多忙なしぐさ、会話を聞いたりすると、
こうして私たちが、のんびりと旅行するのに申し訳ないと思ったりしていることが多い。

このような心情を秘めている私は、民間会社のボーナス到来シーズンを漠然と思い馳せると、
業績が反映された額とはいえ、会社は剰余金も肝要であるが、働いている諸兄諸姉に多くだしてょ、
と無力ながら願ったしている。

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