平塚は薔薇がいたるところで咲いている。街が明るい。そんな街中の街路樹の日陰に、もう紫陽花が咲きだした。花の季節が半月はやい。紫陽花はやはり梅雨空の6月がいい。しっとりした雰囲気がこの花を引き立たせる。薔薇は躍動を感じさせるが、紫陽花は静を感じさせる。昨年、山で紫陽花を採ってきて、部屋中に飾った。全部、表情が違う花なので満足していたが、紫陽花ばかり見ていると寂しくなる という声を聞いて名残りの薔薇を少し飾ったのを思い出した。
母の介護保険やらの手続きに役所へ行ってきた。福祉課のほうは親切で、こちらの心も和んだ。市民課で住民票の除票をとる時に、同居人でない私は第3者として取ることになる。これが面倒で、二人は戸籍が別、母も住所には本籍が無い。二人の親子関係を示すものは無いか という。さまざま書類に親族でなければわからない記述をいるのにこれ以上どうしろと言うのだ・・・。幸い、登記の関係の書類があったのでOKになった。悲しみのときに、私が彼女の娘でなくて、だれの娘だというのだ と腹立たしかった。
その足で母がお世話になっていた小規模多機能サービスの馬渡りさん家へ。やさしいケアマネが待っていてくれた。この施設の(ごく普通の大きな家)お陰で、母は幸せに最期を迎えられた。きれいなケアマネの目に涙があった。母も彼女が大好きで、よく二人で散歩をしたらしい。二人のほうが親子らしかった気もする。週4日でも母の過ごした家を後にするのが寂しかった。
「また、寄ってくださいね」とケアマネは言ってくれた。「ええ、母の代わりに洗濯物をたたみに行きます」と応えた。母ほど上手ではないので、天国から文句を言うだろうな。