ボール蹴りに行く日。川の側だから寒いといけないとマフラーまでして出た。とんでもなく暖かい。運動をすると汗がでてきた。木枯らしではなく春一番が吹く感じだ。また寒くなるという。これでは体調を崩すわけだ。今朝は何日かぶりに仏様にお水やらを供えて、出かけた土地の話をした。
我が家が今の家に引っ越したのは、50年くらい前のことだ。初めは弟も私も何も分からず親戚が所有するらしい建物を見に連れて行かれた。埼玉だがバスに乗って田んぼの中のようなところだった。どうもアパートらしく「これだけ部屋があればみんな一部屋ずつ使えるわよ」と叔母が言った。何のことかも分からずその話は消えた。そして、引っ越すという話を聞かされた。とんでもない田舎だった。そして、家が1/5くらいになる。庭もない。大事な思い出のものをほとんど捨てた。祖父が庭で燃やしていたのを覚えている。
弟も私もなぜ引っ越すのかも知らされないまま、1時間半以上かけて弟は中学へ、私は高校へ通った。帰り道は暗くて大きな農家の灯りがところどころ点いているような土地だった。これが私がすべてに自信を失うことの始まりだった。弟もそうだったのかもしれない。どんなにか両親を(父を)恨んだかわからない。引越しの理由は事業の失敗だという話だ。
今朝ふと気がついた。祖父母が引っ越したときは70歳を越えていたということだ。どんなに大変だったか。祖父が道楽でつくった庭もない。近所には家はあるが、お年よりはだれもいない。私は学校へ通うので精一杯だったが、祖父母はなにをして過ごしていたのだろう。祖父が父に「バイクを買おうかな」と言ったのことを今でも覚えている。
みんな大変だったのだ。私だけがつらく大変だったのではない。知らない土地で自分の大切にしてきたもの(築いてきたもの)が全部なくなって暮らした、祖父母が一番つらかったのではないだろうか。そんなことに今まで気がつかないなんて・・・。はずかしい。仏壇に詫びた。