外に出てみると寒いのでびっくり。家の中があたたか過ぎるのだろう。街はやはり年末なのか買い物客が多い。貧しいながらも楽しい我が家ではないが、母がいるときはお正月の準備をしていた。この年末からお正月へはただカレンダーが新しくなるだけだ。
昨日の千駄木の帰り道、民家しかなかったところに喫茶店があった。雰囲気は素人の方がやっているようなので入ってみた。落ち着いたお店でコーヒーもおいしい。お客さんはほかに1人しかいない。会社員風の人がパソコンに入力をしている。静かだ。お友達と私はのんびりとたわいない、それでいてだいじな話をしていた。音楽が鳴った。時計をみながら「夕焼けチャイムかしら?」というと「灯油を売りにくる車の音楽です」とお店の人が教えてくださった。ああ、まだこういう石油の販売が残っているのだなぁ と思った。そのうちお母さんというような感じの方が入ってきて、バック類を置いて「もうすこしすると来ると思います」といって出て行った。10分ぐらいするとななんと小学生が3人入ったきた。「??」 学年は違うので姉妹なのか?子供達は私たちのいる店の奥の方に席を取り、ランドセルから教科書やらを取り出して勉強を始めた。先ほどのお母さんのような人が戻ってきて3人の勉強をみだした。ほかにお客さんもいるのだが、特に違和感はない。
「まちこさん、ああいうのいいんじゃない」と友人が言った。「広いキッチンなら学校帰りに子供達が気軽にやってきて、ほら、真知子さんの焼いたお菓子を食べて勉強をしていく。これがいいわよ」と嬉ししそうに話す。待って、待って、私はお菓子を焼くのはいいけど、もう勉強を教えるのは・・・・。でも、そうか、そういうことも夢見ることができるのか・・・・。大それたことでなく、そんな日常に密着したことをするのもいいなぁ と思った。
友人は外にでたら、嬉しそうに煙草を吸っている。そだね、そだよ。そんなゆめを追いかけて最後の故郷へ行こうかな。