いよいよ風雨が強くなってきた。外へは10歩くらいしか出ていない。印刷物を発送する仕事がちょうど今日になったので、1日家でするには、天気が台風はよかったのかもしれない。ニュースで「海や川には近づかないように」と注意をしている。でも、人は不思議なもので、こんなとき海を見たかったりする。琵琶湖はどうなっているのだろう などと誘惑がやってくる。さすがに出かける勇気はなかった。1階で仕事をしているので、2階へものをとりにあげることも多い。そうしないと「閉塞感」でつらくなる。そんなときに届く手紙やメールはうれしい。
お盆で母が戻ってきているのだろうか。やたらと、母のことを思い出す。それは最期の4年間、十分に母を看られなかった後悔につながる。長い間の葛藤から離れて、母も私も素直に過ごせた時間なのだが、もう少し傍にいてあげたかった と思う。自分のことが先立った。「お母さんは、いつも真知子さんと競っていたわね」と親友が言った。そういえば、つまらない内職のようなものを作るときでも、母は負けないようにしていた。私にはそういう気持ちはなかったが・・・。
「嫉妬」は克服するのが一番難しい感情かもしれない。嫉妬する醜さを知っているがゆえに、苦しむ。それは血が濃いほど醜いかもしれない。また、男女の愛憎ゆえの嫉妬も醜い。これもとことん醜さをみることで卒業することかもしれない。そうしないと抜けることはできないだろう。いろんなものを手放して、なにか一つだけどうしても捨てられないものがみつかれば、あとはどうでもよくなるのではないだろうか。その一つにさえいやらしい執着はなくなる。
母は最期の2年間はやすらかな心でいた。そのときはあまりにも物分りがよく、不安な気持ちになったが、そういうものらしい。自分が人の役に立っている という想いが母をやすらかにしたらしい。そういう自分の心のなかの充実感が、人への感謝や人への償いの気持ちになるのかもしれない。人生に嵐のようなときもある。私も壁に向ってティッシュペーパーの箱を投げたことがあったなぁ。これが一番安全なのだと。(ニコッ)