友、なつかしきかな

日本にいた頃、ニュージーランド人のHという友人がいた。

Hには結婚したばかりの、Nという奥さんがいて、二人で日本で英語を教えるためにやってきたのだった。

なぜか、この夫婦とウマが合い、４人でいろんなところに遊びに行ったものだ。

Hは、私の夫と同じぐらい身長があって（１９５ｃｍぐらい）、細身で、ヒゲ面のハンサムなナイスガイ。

奥さんのNも、ぱっちり目でさらさらヘアのキュートな女性。



二人とも、黙っていれば、の話。



なんとなれば、この二人、真面目におかしなことをやるので、油断ならない。

奥さんのNが、酔って転んで前歯を折って、夜中に電話してきたとか。

間違って他人の家に帰ったとか。

休みに、安いJRのチケットを買って、神戸牛を食べに行くつもりが、なぜか仙台に行ってしまったとか。



今朝、朝食を食べながら、ふと夫が思い出し笑いをした。

「Hがさー」

笑いをこらえながら話したのには、

Hは幼稚園で英語を教えているのだが、授業の最中に地震が来た。

Hは『地震、地震、はやくはやく！』と生徒を誘導するつもりが


「ガイジン、ガイジン、はやく、はやく！」


Hは来日したばかりで、変な日本語を話す。

あわてていたからではなく、地震をガイジンと思い込んでいたのだ。

「ガイジン、ガイジン」と誘導されて生徒たちは泣くわ、Hはさらにあわてるわで、教室は阿鼻叫喚だった、らしい。



朝から二人で大笑いをし、Hをなつかしく思い出したのであった。






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