太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

消えた眉

2012-06-27 09:15:40 | 日記
天災があったとき、まず何を最初に持ち出すかという話になった時、

「アイブロウペンシル!」

という友人が多い。

彼女たちは揃って眉が薄く、眉を描かないと「麻呂顔」になる。

もし建物の下敷きになって動けなくなっても、眉がない顔では救急隊員が怖がって見て見ぬフリをされるかもしれず、助かる命も助からん、というのだ。

大げさなんだからーと笑うと、彼女たちは真面目な顔をして

「アンタは眉がない顔がどんだけ怖いか知らないんだよ」と言う。


出産を控えて、入院した時のために眉を入れ墨にした人もいた。

そんな話を聞くたびに、眉が薄いって何かと大変なんだなーと他人事のように思っていた。



うちの家系は、しっかり眉があるようで、私は眉が薄くて困ったことなど1度もない。

自前の眉のおかげで、スッピンでも何とかいられるようなものだ。

眉用のパウダーやペンは持っているけれど、形を整えるのに使うだけ。



その自前の眉が、ある日突然、一部欠落した   から大騒ぎ。



その日、朝起きて鏡を見たら、自分の顔の何かが決定的に違っていた。

左眉の、眉尻に近いあたりが消えている。

それはまるで、かみそりを使っていて、うっかり手が滑って剃っちゃった、というかのようにである。

チンピラが、かっこつけて眉をちょっと剃りこんでみた、というようにも見える。

とにかく、あるはずの眉がないのだ。

ないはずのものがあるのも恐怖だが、あるはずのものがないのも、これまた恐怖である。




昨夜はあったのかどうか思い出せない。

でも、ここ数日、なんとなくそのアタリが痒かったような気がしないでもない。

痒くて掻いて、眉の一部がごっそり抜け落ちるって、それってなんか変な病気かなんかじゃないの??

そういえば、その近くに1本だけ、明らかにまわりの眉毛と様子の違う太い毛が生えてくる場所があり、

2日前にそれを抜いたのは覚えている。

あの太い毛は抜いちゃいけない毛だったとか?




何が私の眉に起きたのか、わけがわからないまま、粛々と欠落した部分に眉を書き足している。




今、何か天災があったら、私もアイブロウペンシルを持って逃げなくてはならないだろう。

もしこのまま抜け続けたら・・・・・・・・・

眉がないせいで救助されず、命を落とす危険が自分に迫るとは思いもよらなんだ。

いつか私の眉は戻ってくるだろうか。

これ以上消えないように祈りつつ、今日も眉を描く指が震える。









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