アメリカで眼科医をしている男性が、息子がフランスの「カミーノ・デ・サンチャゴ」と呼ばれる巡礼の最中で、
山で嵐に見舞われて亡くなったという知らせを受ける。
息子を引き取りに行った男は、息子が果たせなかった巡礼の道を歩こうと決め、息子を荼毘にふし、その灰を持って歩き始める。
この映画の評判は聞いていたが、
「すごくいいらしい」というだけで、何についての映画なのかはまったく知らずに観た。
「カミーノ・デ・サンチャゴ」は、キリスト教三大巡礼路のひとつで、スペインの聖地サンチャゴに至る800kmの巡礼の道である。
スピリチュアル界に一石を投じた(と私は思っている)、シャーリー・マクレーンも巡礼をした一人で、
それについて本を書いている。(「カミーノ ~魂の旅路」)
彼女は巡礼の間に、さまざまなスピリチュアルな体験をしていて、とても興味深かった。
主演はマーティン・シーン。
巡礼の途中で、それぞれに理由を抱えた仲間と出会い、あるときは反発し、惹かれあいながら歩き続ける。
まったくの現実主義、成果主義で生きてきた主人公が、
息子の供養という名目で歩き続けることで、大切なことを発見する。
800kmを歩くことで、
人は自分の中の何かを、おもいきり引っくり返せる、と思うのだろう。
歩き終えた時、まったく別の自分になれると思うのだろう。
フランスとスペインの田舎の風景がすばらしい。
ラストシーンの、マーティンの表情がたまらなくいい。
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