太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

迷子

2012-09-19 11:35:53 | 日記
私はよく迷子になる子供だった。

母のスカートの裾をしっかり持っている姉に比べて、

私はデパートにいけば、勝手に売り場の中に入り込み、売り子のお姉さんと喋っているような子だったらしい(母:談)



私の記憶にある1番古い迷子体験は、幼稚園にあがるかあがらないかの頃だったと思う。

或る時、母に用事があったので、父が姉と私を連れて出かけた。

繁華街に近い大きな公園の中を通り抜けているとき、気がついたら私がいなかった。

当時、子供の誘拐事件があったばかりで、父は真っ青になり、家にいる祖父母に電話をし、

公園の管理事務所に届け出て、

公会堂で講演を聴いていた母のもとへ走った。

その頃私は、公園管理のおじさんに迷子として管理事務所に連れていかれ、そこでソフトクリームを買ってもらっていた。



迷子になって泣いたとか、寂しかったとか怖かったという記憶は何もない。

父が公園管理事務所に駆けつけてきたとき、私はおじさんに抱っこされながらケロリとしてソフトクリームを食べていたそうだ。



1箇所にジッとしていられず、フラっとどこかに行ってしまう、というのは、まさしく父譲りであって、

昨年、父がハワイに来たときには、私たちは父を探してばかりいた。だから父は私のことを怒れないのである。



大人になって、さすがに迷子とは縁が切れただろうと思いたいのだが、

今は駐車場で迷子になっている。

日本の街角の自走式の駐車場でも、自分の車を探し出せず、よく迷ったものだ。

ショッピングセンターでは、建物内から駐車場に上がる出口がいくつかあることが多くて、

自分がどこの出口から入ってきたか、その近くにはパン屋があるとか、しつこく確認しなくてはならなかった。

テーマパークの駐車場で、とうとう見つけ出せず、駐車場にいる人に「私の車はどこですか」と聞いた苦い思い出もある。
(親切にも一緒に探してくれた)


アラモアナショッピングセンターのような、何階建てにもなっていて、だだっぴろい駐車場に車を停める時、

停めた場所のまわりの景色をよくよく頭に入れておく。

そうしているにもかかわらず、ときおり駐車場内をぐるぐる歩き回るハメになる。

私の車のキーには、押すとエマージェンシーの大音量が車から発せられるというボタンがあって、車を探せない時に使うといいと説明されたのだったが、

それを押す勇気もなく、

あと3分探して見つからなかったら押そう、と思っているまに、大抵見つかる。



子供の頃は、迷子になっても悲しくもなかった私が、

大人になった今、駐車場で車を探しながら、泣きたいような気持ちになるのである。









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