太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

へヴィメタ

2013-06-03 07:45:16 | 日記
DEFTONESというバンドのライブに行った。

通勤の車の中では、マントラのCDなんかを聞いている私が、へヴィメタが好きであるはずがなく、

大のへヴィメタ好きの夫が一人で行くというので、やむにやまれず行ったのだ。

というのも、以前、やはりへヴィメタのライブに行った夫が、

そこで変なものを「くっつけて」帰ってきたことがあり、また何かを連れて帰ってきたら嫌だと思ったのである。

私が行ったからとて、連れてこないとはいえないにしても、お酒を飲まないように監視することはできる。

どうもお酒をたくさん飲むと、そういうものはくっつきやすい。

とにかく、

耳栓を用意して、半年前にオープンしたクラブ(日本では語尾を上げて読むらしい)に行った。




会場には既に多くの人達がいた。

ビートというのか、リズムの音が身体を突き抜けてゆく。

それは心臓に電気ショックを与えられているようだ。


頭の上に1メートルぐらいの高さにモヒカンをそそり立たせ、それをノシイカのようにテカテカに固めた人や(まるでノコギリザメ)

鉄腕アトムのような人や、珍しい人達がいっぱい。

椅子はどこにもなく、みんな立っている。

20分ほどして、バンドが出てきて演奏し始めた。

この人達がDEFなんとかね、と思っていたら、彼らは前座だそうだ。

歌というか、これは歌ではない。

メロディもこれといってないし、ただマイクをつかんで叫んでいる。

何曲歌っても、その違いがわからないし、歌詞があるかどうかもわからない。

観客はおとなしく聴いていて、へヴィメタといっても意外とこんなものなんだなーと思っていた。



ところがいよいよDEFTONESが出てきたら、会場は一変した。


後ろのほうから大きな圧力がかかって、人々が前に乗り出してくる。

音楽に合わせてジャンプする、激しく踊る、頭を振り回す、ぐるぐる回る・・・・

私は呆然と彼らを見ていた。

この光景、どこかで見たことがあると思って考えていたら、

そうそう、テレビ番組でやっていた新興宗教の道場で、多くの人が一斉に身体を揺らして

トランス状態になっているやつ。

あれだ。

これは宗教だ。そしてこの特別な雰囲気の中で、トランス状態になっているのだ。



夫はどうしているかと見ると、別段踊ってもいないし、腕を振り上げてもいない。

普通にステージを見ているだけだ。

彼にとっては、私が好きな癒しの音楽なんかに癒されたくはなく、こういうロックやへヴィメタのほうがよほど癒しになるらしい。



耳栓を試しに外してみたら、ありえないほどの大音響が迫ってきた。

心臓マッサージのようなビートには慣れてきたが、この音はダメだ。

前座のバンドよりは、音楽らしいと思える曲もある。

ロックでも、私はフーファイターズは割と好きだ。彼らのようにギターだけで歌う曲もあった。


会場はもうすごいことになっていた。


とてつもないエネルギーが爆発している。

そのうち、前のほうから 人間が流れてきた。

大の字になった人間が、仰向けになって人々の頭上を「人間みこし」のように移動してくるのだ。




ずっと立ちずめで、足は痛いし、

30分もいればおなかが一杯な感じになるところを、1時間半もいた私をほめてあげたい。

ただ夫を監視するという目的のためだけに。


最後までいずに帰ってきた。

もう遅かったし、心臓はバクバクだし、もうたくさんだ。

幸い、夫は何も連れてこなかった。

またこういうのが来たらどうしよう・・・・






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