パンデミック以来、滅多に車を運転しなくなった。
日本にいたとき、1年のうち360日は運転していた。
ハワイに来てからも、本屋で働いていたときには週に5日、片道50分の通勤をしていた。
ハワイに来てからも、本屋で働いていたときには週に5日、片道50分の通勤をしていた。
それが今は日常の買い物は週末に、夫の運転で済ませる。
職場が再開した今でも、半月に3日で、それも片道10分程度。
私にとって車は気軽な足で、運転は得意というのでもないが、別に苦にはならなかったのが、
こうも長い間、運転しなくなると億劫になる。
今日はカハラのギャラリーに作品を収めに行った。
あわよくば、週末に夫の運転で行きたいところだったけど、今週末は予定がある。
それで仕方なしに1人で行く。
カハラまでは距離的にはけっこうあるが、殆どフリーウェイなので家から30分もみれば着く。
これが、遠く感じる。
同じぐらいの所要時間でも、普通の道を通ってカイルアに行くほうが、どれだけいいか。
100キロぐらいで両側を車がビュービュー走るフリーウェイはドキドキするし、
合流したりされたり、あそこで降りるには今どこの車線にいればいいのかを気にしたり、気疲れする。
気づくと、私の背中が少しシートから浮いていて、
きもち前かがみになっている。
ヤダ!!!これって正真正銘ババ運転!!
若い頃、オバちゃんドライバーが、シートをうんと前にスライドして
ハンドルに顔をくっつけんばかりにして運転しているのを見て、
「あんな姿勢で、どうやってハンドルを切るのかねー」
「顔を前に出したって、それだけ見える範囲が広くなるわけじゃなし、どうしてああなるのかねえ」
などと友人と話したものだ。
私の場合、ハンドルと身体の間隔は普通にあいているが、
それが運転しているまに徐々に接近してきているようなのだ。
前をよく見ようとして前かがみになるのではなく、緊張して肩や腕に力が入っているために、そうなってしまうのだと思う。
カハラに行き、ホールフーズに寄り、ROSSに行き、
地元に戻って時計の電池を替えてもらい、銀行に寄って、最後にスーパーマーケットに行った。
その間、我がババ運転に気づいて体勢を立て直すこと数回。
混み混みの銀行
これだけ見ると空いてるけど、この後ろに20人ぐらい並んでいる。
その20人が2m間隔をとるから、列の最後は銀行の外だ。
窓口は3つしか人がいなくて、そのうち一つはものすごい時間がかかっている。
30分以上も並んでいる間に、ババ運転でこわばった肩をぐるぐる回していたら、後ろの人が声をかけてきた。
「両手を背中で組んで肩甲骨をはがすようにしてごらん」
やってみたら、ゴキ・・・と音がした。
「なんか、外れた・・・」
「いや、外れてるべきなのがくっついてたんだから、それでいいんだよ」
「年をとると、顎だけ前に出やすくなるみたい」
「うん、それで猫背になるんだよね」
その人は、フィットネスのインストラクターを生業にしているそうだ。
背中もバリバリ、顎も出やすい。あー、やだやだ。
あのとき、私がジャッジしたオバちゃんたち、ごめんなさい。
今や私が、あのときのアナタです・・・・
顎を出しながら運転している私を見て、若者が「ぷ!」と笑っていたことだろうよ。
因果は巡るとはこのことか。