太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

それをグースネックと呼ぼう

2022-10-25 08:28:25 | 日記
ここ1週間ほど、迷っていることがある。

グースネックケトルを買うか、買うまいか。

グースネックケトルとはその名の通り、注ぎ口がグースの首のような曲線を持つヤカンのこと。
こういうの。

私は毎朝、コーヒーを淹れる。
以前はKEURIGを使っていたが、手でドリップする方式にして数年がたつ。
その時にもちょっと迷って、どうせ一人分だし、味の違いがわかる上等な私でもなし、小鍋で充分と思い、小鍋で通してきた。

しかし、丁寧に暮らしている人たちの動画を見て、「小鍋でコーヒーを淹れている人って、どうなの?」と思うようになった。
丁寧でおしゃれな人たちは、グースネックの細い注ぎ口からそろそろとお湯を垂らして、コーヒー豆をふっくらとさせてゆく。
小鍋だと、注ぎ口というものがないから、注ぐとき一度にドバっとお湯が出てしまう。
こりゃやっぱりグースネックかなあ・・・
何年も小鍋でやってきて、今さらなんだけど、そう思い始めたらグースネックケトルが欲しくなった。

電気湯沸かし式でない普通のタイプがいいので、(上の写真は電気湯沸かし式)探してみると、いろいろある。
価格も5~6千円ほどで、それほど高価でもない。
大きさやデザインやレビューを検討し、買うならこれだ、というものまで決めたのに、買うまでに至らないのは断捨離のせいだ。
数か月前の大量断捨離で、我が家は相当に身軽になった。
そうなってみると、新しいものを買うことに慎重になるのだ。
たかがヤカン、されど、物がひとつ増えるということに抵抗がある。

ミニマムサイズのキッチンは、収納にも限りがある。
グースネックの注ぎ口が場所をとるし、買ったらストーブの上に置いたままになるだろう。
普段は夫に相談などしないのに、聞いてみた。

「欲しければ買えばいいじゃん、だけどこの前、お茶のケトルみたいなの、もう使わないからって処分したよね」

そうだ。なぜかいくつもあった急須的なものを処分した。
でも私が欲しいのは急須じゃなくて、グースネックケトルなのだと、写真を見せて説明したが、夫はその何が違うのかをよく理解できず。
が、そのときヒラメいた。
急須といえば、一つだけ処分を免れたのがあったはず。
緑茶を飲むときは、お茶パックに茶葉を入れたのを直接マグに入れてお湯を注ぐので、急須など使わない。
だからこれは次回の断捨離候補になっていた。

とことん正しい急須。

この注ぎ口、見ようによってはグースネックに見えないか?
かなーーーーり寸足らずだが、小鍋よりは遥かに湯量の調整ができそうだ。
沸かしたお湯を急須に移して、コーヒー豆に注ぐ。
これなら食器棚にいれられるし、物を増やさなくて済む。

「グースネック、ならず、キュースネック、なんちってね。オヤジギャグ」

と日本人の友人に言ったら、最近のオヤジは私らよりも若くて、そんなことは言わないのだそうだ。
オヤジギャグという言葉すら死語になりつつあるのだと、哀れみたっぷりに言った。
あーそうかい。
いつのまに私はそんな歳になっちゃったんだろう。







燃えるような夕日~フグの恩返し

2022-10-25 07:47:21 | 日記
昨日、カイルアのBUZZ'Sに行った。
先週の日曜日も来たのだったが、今、シュートメの親友がフロリダから来ていて、再び行くことになった。

予約の6時前に着いたら、空が燃えていた。
先週も同じぐらいの時間に来たら、同じように燃えるような夕日だった。
車を停めてから写真を撮ろうと思ったのに、1分もしないうちに色が褪せてしまった。
今回は間に合った。
30秒後。

コオラウ山脈の向こうはホノルル。
山のこちら側は夕暮れていても、山の向こう側はまだまだ明るく強い日差しなのだろう。

さらに30秒後。

川のように見えるのは、海の河口。
満潮のときには、魚がたくさんやってくる。
20年前、夫が、干潮になって取り残され、水深がどんどん浅くなって慌てているフグを発見し、
義父と二人でバケツリレーのようにして、大量のフグを海に返したという。

「日本の昔話なら、フグが恩返しにやって来るんだけどねえ」

「なにそれ」

と夫。

「助けてもらった鶴が自分の羽で着物を織るとかさ。お地蔵さんだって恩を忘れないんだよ。
貧しいおじいさんが、手作りの笠を売って正月を越そうと思ったけど売れなくて、帰り道で雪の中に立っているお地蔵さんに笠をかぶせて、1個だけ足りなかったので自分のかぶっていたのを最後にあげて家に戻ったら、夜中にお地蔵さんたちが家の前に食べ物やお金を置いていってくれた、って話」

「ロ―ニンが作る傘のこと?」

「いや、それはアンブレラでしょう。これは帽子みたいなやつ」

「ふーん。フグはいつ来るかね?」

「いや、20年もたってるんならもう来ないっしょ」

フグにも日本の昔話を聞かせてあげねばなるまい。