太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

素通りできないメロンアイス

2022-10-29 15:57:47 | 食べ物とか
近所のスーパーで、私を呼ぶ者があった。



こっ!これはッ!!!!

黒いパッケージをかぶってはいるが、この色と形はまさしくあのメロンアイスではないか。
秒で買い物かごに入れたのは言うまでもない。

パッケージをとってみる

ほらね、やっぱりメロンアイス。
パッケージにはMelon ball ice。Product of Japan というだけで、製造元などは一切わからない。
そこは地元スーパーだが、数年前に日本食スーパーのドン・キホーテが買収してから、日本の商品が少しずつ棚に出るようになった。
しかしまさかここでメロンアイスに再会できるとは。

これを食べていたのは50年前よ。
いや、もっとか。
あの頃、羊羹アイスとか、ゴムの袋の中にバニラアイスが入っていて、穴をあけて吸いながら食べるのとか、シンプルなイチゴ味のみぞれとか、お菓子やで買って食べたものだ。
ゴムのバニラアイスは、ゴムの味がするんだけど、美味しかった。
ハーゲンダッツみたいなリッチなものもなかったし、人々の味覚は今ほど肥えてはいなかったと思う。

冷凍庫の大きさからいって、アイスを家で保管する生活様式は庶民には浸透していなかった。
冷凍庫があるだけ立派で、たいていは冷凍庫と冷蔵庫が一体になっている冷蔵庫だった。
若い人には想像つかないだろうけど、ドアをあけると、申し訳程度の製氷室が冷蔵室の上のほうにあるだけ。
だからアイスは食べたいときに買いに行くものだった。
真夏に、大きなボウルを持って、そのお菓子やに行き、その中にかき氷を入れてもらい、「溶ける溶けるー」と言いながら走って家に帰り、シロップをかけて食べたりもした。

話の長い、うさみさんちのおばさんに捕まったときは、足踏みしながら
「おばさん、氷、氷!」
と催促すると、
「あれまあ、危なっかしいねぇ、あたしが持ってやるよ、ほら」
そう言って、割烹着の裾を広げ、有無を言わさずボウルをそこに入れ、
一緒に歩いて帰るのだけれど、そう言いながらもおばさんはゆっくり歩く。
炎天下でボウルの中のかき氷がどんどん水になっていくんじゃないかと気が気でなかった。

脱線した。メロンアイスに戻ろう。
メロンアイスは、頻繁に買うアイスの筆頭だった。
今のように、いろんな種類のアイスはなかったから、大人も子供もいつも似たようなものばかり食べていた。
お菓子だってそうだ。チョコレートといえば板チョコか、チューブに入ったチョコレート、アポロチョコ、ベビーチョコ。
ポテトチップなんてあったのかなあ。カールはあったような気がする。
クッピーラムネが15円で、メロンアイスは30円だったと思う。

メロンアイスの容器は捨てられずにとっておくのだが、あまりにも数が増えすぎて、途方に暮れた。

味は、あの頃と同じ。
そして容器はもちろん捨てずに洗って、何かを入れるのに使うつもり。
半世紀あまりの歳月を経て、海を越えたハワイで子供の頃の思い出に出会えるとは、懐かしさ倍増である。