３月に、夫の車を買い替えた。（その記事はコチラ）
以前乗っていたのはホンダのCRVで（日本での名前はわからない）、とても気に入っていたのだけれど、仕事で使うツール類が増えて、バンが必要になった。
そのホンダを買ってくれたのは、この島の西海岸（この村は東海岸）に住むフィリピン人。
両親をフィリピンから呼び寄せたので、彼らのための車を探していた。
両親がフィリピンを発つときにもらった、友人や親戚たちからのお餞別の現金をそのまま持ってきて、私たちの提示額には足りないけれど、これしかないので何とかならないか、という。
お祝いのハッピーなお金だから、もちろんそれでOK。
彼はとても喜んで、ホンダに乗って帰って行った。
１０日ほど前だろうか。
家の近くを一人で走っていたら、あのホンダとすれ違った。
ほんの一瞬だったけれど、見間違うはずがない。１０年近く乗っていた、お気に入りの車。
ライセンスナンバーだって覚えている。
『ああ、元気にやっているんだね』
『うん、元気にやってるよ』
西海岸と東海岸の人々は住み分けがあって、仕事などで真ん中のホノルルには出かけても、反対側の地域には滅多に行くことはない。
たとえば西海岸の人が北のノースショアに行く用事があれば、真ん中のフリーウェイを使った方が半分以下の時間で行ける。
ちなみにこの１２年間で、私が西海岸に行ったのは１度だけ。
だから、よほどの用事があったのだろうが、私には、元気な姿を見せに来てくれたような気がしてならなかった。
里子に出した猫たちに会ったような気持ち。胸の奥が熱くなった。