太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

炊飯器の歴史

2023-06-10 17:57:43 | 日記
炊飯器事情については、もういくつも記事を書いてきた。
ハワイに来たばかりで、我が家を建てるまでは義両親の家に同居していた。
彼らが使っていたのは、炊飯器というより電気釜で、いまどき日本でこんなレトロなものはどこを探してもないのではないかと思う。

内釜なんかぺっこぺこで、電気釜というよりキャンプの飯盒に限りなく近い。ご飯は15分もかからずに炊けてしまう、優れもの(?)。

一応サンヨー製

なにしろ、スイッチは潔いぐらいの2つだけ。COOKを押すと炊飯し、KEEP(保温)になったのを解除するには電源を抜くしかない。これがあるのに、新しく厚釜のやつを買う勇気が私にあるはずもなく、我が家が完成するのをひたすら待った。
いよいよ我が家が完成し、これで厚釜が買える!と思ったのも束の間、シュートメが、

「これ、よかったら使ってネ」

と言って、彼らの電気釜とほぼ同じものをガレージから出してきた。その時の私の気持ちといったら・・・・顔は泣き笑い😂
頂き物だったのを、とっておいたらしいのだ。
知らぬ顔をして、厚釜を買って使う勇気が私にあるはずもなく、それを使っていた。
数か月して、私の電気釜事情を知る日本人の友人が、炊飯器を買い替えるからといって古いのを譲ってくれた。「どのぐらいもつかわからないよ」と言ったが、そんなことは全然かまわないとも。それは日本から買ってきたもので、小ぶりだけどしっかり厚釜。それで炊いたご飯は、なんか味が違う。
私はシュートメに、

「友達がどうしても使って、といってこれをくれたからー」

とわざとらしく強調し、電気釜はこっそり寄付に出した。
しかしその炊飯器は、おさがりだけあって、半年もしないうちに壊れてしまった。

さあ、これで大手を振って厚釜炊飯器を買えるぞ!!

と張り切った私は、売り場に出かけた。
日本製の厚釜タイプは、5万円ぐらいする。んー、高いなあ、と思って眺めていたら、その横に6000円ぐらいのがあった。5合炊きで大きいけど、ちゃんと日本製だし、デザインがレトロで昭和な花柄が気に入らないけど、普段は棚の中だし。
結局、価格に心が動いて、それを買った私はアホだ。
せっかく厚釜を手に入れるチャンスだったのに。
図体は炊飯器ぽいけど、スイッチはあの電気釜と同じ2つしかなく、保温を解除するには電源を抜かねばならないのも同じなら、15分かからずに炊けてしまうのも同じ。


てことは、これはあの電気釜をただ大きくしただけ、ってことじゃ・・・



あれから8年。
その炊飯器は今も元気。
考えてみたら、主食にご飯を食べない習慣にすっかり慣れてしまい、お弁当にもエゼキエルブレッドを持っていくので、炊飯器を使うのは年に数えるほどだ。
昨日、久々にお弁当にお寿司を持っていきたいと思って、五目寿司を作った。
15分もしないで炊けたご飯に合わせ酢を混ぜながら、思った。
以前はハワイのレストランで食べるお米は美味しくないと思っていたけれど、今ではその味に舌が慣れて、ご飯を食べる機会も少ないこともあって、私のご飯の味のハードルは下がっている。
厚釜だろうが、飯盒だろうが、私には変わりはないのではないか。
年に数えるほどしか出番のない、このペコペコ炊飯器と、末永くお付き合いしていこうと思う。