太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

若見え、あくなき欲望

2023-06-16 13:29:40 | 日記
日本じゃカーディガンに流行遅れがあるのかと驚愕した私だったが、(その辺の記事はコチラ)YouTubeでその記事を見たあと、ファッション、美容に関する記事が勝手に上がってきた。
そこで私は新しい単語を知る。

若見え

若作りを丁寧に包んだ言葉ではないかと推測する。
昔は、若々しいとか言ったもんだ。
こういうメイクをすると若見えですよ、とか、こんな服が若見えだとか言う。
芋づる式に動画をみていったら、人はどこまで若見えしたいのかという疑問が湧いてくる。

私だって、そりゃあ若く見られたい。
アメリカでは日本人はすごく若く見られるという特権があるため、ここでは誰も私の実年齢を言い当てられない。
特に若い人は年上の年齢を当てるのが苦手で(年上の年齢なんかどうだっていいんだよね、私も昔はそうだった)、実年齢を知ると大げさにのけぞり、

「30歳ぐらいかと思った」

などと言い、私を得意にさせる。
それは、若者には30歳以上は中年も老年もみんなおんなじだからなのだが、そんなことは忘れて良い気分になる。
ある程度、人生経験を積んだ人はもっと現実的だ。

「若いねー、40代後半かなと思ってた」

と言われると、確実に不満に思う自分がいておののく。
実年齢より10歳若く見られたら御の字であるのに、日本人は見てくれに関しておだてられすぎて、すっかり調子こいてしまっているのであろう。


YouTubeの動画には、50代なのに20代と同じメイクと服装をしている人(似あっている)もいるし、70代なのに30代に見える、もう妖怪寄りという人もいる。
それはすごいとは思うのだが、どうしても若い子の真似に見えてしまう。
自分の年齢なりの美しさというものが、あるのではないか。
全速力で時間軸をさかのぼろうとしている人たちが息切れしたときにはどうなるんだろう。
そう考えたとき、30歳かと思ったと言われてつけあがり、40後半と言われて不満な我が身を思い、私も気持ちの上では彼女たちに近いのでは、と恐ろしくなった。


若く見られる、のと、若くいる、のとは、似ているようで違う。
84歳のドッティのように、きらきらとした目で、少女の心と大人の心を持った人に、私は憧れていたのではなかったか。
ドッティと。


若い子の真似はするまい。
心を若く持つことに重きをおいて暮らそう、と心に思う。
その直後、読んでいた本に

『60ぐらいのおばあさん』

というくだりを見つけて、「なんだとうっ!!!」と怒髪天を衝く、まだまだな私なのである。