続いて本日のメインである壽聖院という塔頭へ。
妙心寺境内図の左上の方にお寺はあります。
【参道】
この奥に進みます。
【山門】
一番奥には別の塔頭の天祥院がありますが、
こちらも普段は非公開寺院です。
壽聖院は10時から拝観で開始まであと5分。
天祥院を門からちょっとのぞいてみましょう。
所在地:京都府京都市右京区花園妙心寺町43
宗派:臨済宗妙心寺派
御本尊:釈迦如来
創建:正保2年(1645)
開基:松平忠弘
開山:乳峯義元
【前庭】
【庫裏】
いかにも禅宗塔頭寺院の前庭と庫裏です。
【石像】
中国っぽい石像ですね。
仙人でしょうか。
天祥院はパッと見は地味ですが、
調べてみるととんでもない絵師と深い関わりがあり驚いた。
なんとあの狩野山雪の襖絵が奥書院に飾られていたそうです。
火事により表裏の各4面のみ助け出され海外に流出。
何でも廃仏毀釈により売られてしまったとか。
全くもって明治政府は碌な事をしませんね。
【狩野山雪】
江戸時代初期の狩野派の絵師。
織田信長・豊臣秀吉に仕えた永徳の時代にピークを迎えたあとは、
江戸に幕府が開かれたこともあり狩野一派も江戸に移り、
探幽が再び一時代を築くが、京に残り京狩野として活動を続けたのが永徳の弟子の山楽。
その京狩野の狩野山楽の婿養子で後継者であるのが山雪。
【老梅図襖】
メトロポリタン美術館の日本ギャラリーにおいて、
狩野山雪の老梅図襖はこの画像のように展示されているそうです。
狩野山雪晩年の最高傑作の一つとされる老梅図襖は、
かつては妙心寺の塔頭・天祥院の奥襖絵であったが廃仏毀釈により流出。
大蔵大臣や京都の実業家の所蔵を経て、
メトロポリタン美術館のコレクションとなったとか。
【群仙図襖絵 】
こちらも実に素晴らしい作品で重文間違いなし。
この二つの老梅図襖と群仙図襖は元は妙心寺塔頭の天祥院方丈の表裏各4面の襖絵で、
明治時代に天祥院が焼失した際、偶然取り外されていた為、難を逃れる。
しかし、寺院再建の為に売りに出され紆余曲折を経て現在は、
メトロポリタン美術館とミネアポリス美術館に所蔵されています。
2013年に京都国立博物館で狩野山楽・山雪展が開催され、
この二つの襖絵は里帰りし同一ケース内で本来の襖の表裏として展示されました。
私も2013年5月2日に拝観して狩野派好きとして、
当時感動しておりました。(^^
https://blog.goo.ne.jp/05100625/e/e22db05b0b5229e33e1dc110fbeea9c0
狩野山楽・山雪展メインの襖絵の二つがこんな地味な天祥院にあったとは。(^^;)
今日まで天祥院の存在を知らなかったよ。
奈良や大阪は勿論他の地域でもこのような寺院に、
超有名な絵師による襖絵はほとんど存在しない。
これが京都の凄さであり奥の深い所以です。
京都寺院恐るべし。
壽聖院の特別拝観があって真横に偶然あった天祥院。
現在の天祥院には平成20年(2008)綴プロジェクトにより、
老梅図襖の高精細複製があるそうです。
京都文化協会主催で狩野山雪の老梅図襖の高精細複製の特別公開が、
2012年3/31と4/7にあったそうですが、
また特別拝観してくれないかな。
高精細複製であっても老梅図襖はこの目でまた見てみたい。