「トシをとると楽しみがふえる」という副題のついた『すごいトシヨリBOOK』。
まずタイトルがすごい^^。
まるでおしゃれじゃないけど、としより力、なんていうのよりはいいかな。
そういえば、『老人力』という本がありましたっけ。
Wikiで調べたら、1998年の赤瀬川準平さんの著作で、その年の流行語大賞にノミネートされています。
著者の池内紀さんは1940年姫路生まれ、ドイツ文学者・エッセイストです。
池内さんが70歳になったとき、市販の手帳を買ってきて、最初のページに「すごいトシヨリBOOK」と書き、周りに70の黄色い☆をちりばめ、真ん中に自画像を描いたのだそう。
そのノートは自分が老いるというのは初めての経験なので、「こういうことはこれまでなかった」とか「これぞ年寄りの特徴」とか、日々気がついたことを記録するための「自分の観察手帳」になりました。
巻頭のはじめにによると、老人になって気づいたことを記録することで発見した、自分なりの「楽しく老いる秘訣」だそうです。
ブログなどを日々発信している私たちトシヨリ^^は、すでに別の方法で実践していることかもしれませんね。
この本は「すごいトシヨリBOOK」の存在を知った編集者が、改めて構成し直して聞き書きしたもの。
そのためかとても読みやすい文章です。
池内さんは惰性になりがちな日常を再生するために、自分に対して、新しいものをいろいろ仕掛けてみるのが大切なのでは、と提案します。
ご自身は4年ぐらいを単位に、何かを始めてみると結論づけます。
医学的に見ても、人間の細胞は4年ごとに生まれて死んで、常に細胞が再生しているそうです。
まぁ、シミの浮き出た皮膚は新しくなっているとは思えないので、再生しない細胞もある^^んでしょうけどね。
池内さんが挙げた4年単位の仕掛けの一つが、美大受験生が通う塾に4年通ったこと。
その成果で描かれたカットが本のところどころに、挿し込まれています。
ただ、こんなハードルの高いことは誰でもできることではありません。
お金をかけず、できることはいくらでもあります。
それを自分で考え、4年は続けてみる。
自分オリジナルのトシヨリBOOKを作ってみたくなりました。