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防衛出動訴訟 自衛官敗訴:職責果たさぬ「はぐらかし判決」

2020-03-02 22:17:05 | 防衛

 2020年2月13日、安保関連法による集団的自衛権行使は「違憲」であるとして、現職陸上自衛官が「出動命令に従う義務がない事の確認」を求めた判決東京高裁で下された。自衛官は2016年、「2015年に成立した安保法では他国が武力攻撃をされ、日本の存立が脅かされる『存立危機事態』での出動命令が定められたが、この規定は違憲である」として提訴した。阿部潤裁判長は、訴えに対して正面から答えなかった。それは職責を放擲したもので裁判官の存在意義を疑わせるはぐらかし判決」でしかなかった。それはまた、主権者国民を愚弄したものでもあった。それは、

「命令が出る事態は現実的ではなく確認の利益がない今も近い将来も存立危機事態が発生する恐れがあるとは認められない出動命令も、命令に従わずに懲戒処分を受ける事もあり得ず、訴えは不適法だ」というもので、

判決内容に関して客観的な根拠も示しておらず口先だけの空論に過ぎない。これでは安倍自公政権の政策を全面的に支持する事にしかならず、主権者国民の不安を取り除く事にはならず、国民にの安心安全や権利を守る職責を果たしているとは言えない。報酬(税金)の「タダ取り」と言っても良いものだ。

裁判官の職責は、憲法第11条に定める「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」とする状態を保障する判決を下す事であろう。その事を義務づけているのが、憲法99条「憲法尊重擁護の義務」なのである。

 日本の裁判官は、ドイツの憲法裁判所長官の「国家の人権侵害から市民の権利を守る事が我々の任務だ」という言葉に耳を傾けるべきだ。

(2020年3月2日投稿)

 

 

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石橋政嗣が『非武装中立論』に込めた思いは?

2019-12-15 14:01:10 | 防衛

 2019年12月9日、元社会党委員長の石橋政嗣氏が95歳で死去した。1983年9月に第9代委員長に就任した。80年には『非武装中立論』を著した。これに対し中曽根康弘首相が「非現実的である」と批判した。石橋氏が「非武装中立」に込めた思いはどのようなものであったのか。1995年7月に出版された朝日新聞社刊 戦後50年2『日本とドイツ 深き淵より』などによると、

 敗戦により、「聖戦」や「大東亜共栄圏の建設」や「特攻隊に象徴される天皇に対する尽忠捧命の光栄」など、彼が信じていた事はすべて、神聖天皇主権大日本帝国政府によって騙されていたのだという事が分かった。大日本帝国政府の暴虐を反省して制定されたのが、日本国憲法であると心から歓迎した。文部省の指導要領では憲法について、「素晴らしい内容で人類の理想を先取りしたもの」と書かれており、『非武装中立論』はこの憲法を反映したものであると述べている。

 自衛隊や日米安保条約については、社会党が政権をとっても、自衛隊をすぐに廃棄できない、安保条約もなくせるものではないと考え、どのように廃止、解消に向かうかそのプロセスが非常に大切だと書いたが、「非武装中立」というと、「すぐになくすんだ」「すぐにやめるんだ」と勝手に決めつけて読もうとしない人が多かったと述べている。

 村山富市(社会党)首相の「自衛隊合憲」発言については、首相が一人で(勝手に)「合憲」に変えてしまった。有権者との公約に反しており、党是ともいうべき基本理念、基本政策を党内の機関決定も踏まえずに変えてしまった。民主主義の原則からおかしいという批判もない、それとは逆に、「よくやった」と言わんばかりの風潮であり、これでは社会党の存在価値はなくなったと言われてもしようがないと述べている。

 日本が国連安全保障理事会の常任理事国になる事については、「常に米国の方を見てついて行くだけで、何が正義なのか、国連として採るべき行動はどうあるべきかという客観的、自主的な判断はできないだろう」と述べている。

(2019年12月15日投稿)

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「米の武器購入で雇用創出に貢献」:安倍氏にはこれまでの常識や倫理道徳は通じない。金儲けになる事なら何でもやる死の商人、労働者は人的資源に過ぎない

2017-11-15 22:18:49 | 防衛

 2017年2月15日の参院本会議で、安倍首相は、日本の安全保障の整備上、米国からの武器購入は最も重要であるという事。そして、その事は米国の経済発展や雇用の増加に貢献する事になる、と発言した。

 この発言には彼がどのような考え方をしているかが端的に表れている。発言は、彼の倫理道徳が一般的な常識とは全く異なる事を自ら暴露しているのである。

 安倍氏は、安全保障には、軍事力こそ重要であるとしている事は、これまでの「積極的平和主義」(安全保障法制樹立)なる発言からも誰でもが知っているであろう。しかし、そのような考え方自体が一般的な常識とは相反するものであり、憲法第98条第1項「最高法規の遵守」の「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」や、第99条「憲法尊重擁護の義務」の「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」という規定に違反する憲法違反である事は言うまでもない。傲慢にもあらためて開き直りを示したという事である。

 しかし、今回新たに驚いたのは、これまでの安倍氏の態度を考えれば「彼らしい」と納得できるのであるが、「米国の経済発展や雇用の増加に貢献するものと考える」という部分である。

 「米国経済の発展に貢献」については、元々米国はこれまで「戦争経済」体制にもとづく政策をとってきたが、その経済体制に協力するという事を意味しているのであり、一般的な人間の有するものとは異なる倫理道徳感を有する持ち主である事を暴露しており、決して見過ごしてはならず肯定してはいけないものである。また、

 「米国の雇用に貢献」については、米国労働者の「雇用の増加」につながれば、その「仕事の内容」はどんなものであれ「構わない」という考え方を暴露しているのである。「武器を作る」事は、「武力の行使」や「戦争」を支える事であり、「人を傷つけたり、命を奪う」行為を支える事を意味するが、そのように考える事はないようだ。そこからさらに考えを深める事はないようである。「労働者」の立場に立って、その心を思いやる事ができず、「労働者」を「感情を有しない」ただの「労働力」「人的資源」としか考えていないといえる。しかし、「労働者」は人間であり、喜怒哀楽の感情を有している。一般的には、「人を傷つけたり、命を奪う」武器を作る仕事を好き好んで求める労働者はいないであろう。それを安倍氏はためらう事もなく「貢献」と言ってのける態度からは、安倍氏は一般的な「倫理道徳感」が具わった一般的な人間であるとは思えない。

 安倍氏は、一般的な人間の有する「思いやり」の欠如した、独善的で自己中心的な人間であるといえる。であるからこそ、「武器商人」「死の商人」にもなり得るのである。

(2017年2月20日投稿)

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ジェブ・ブッシュ(米大統領選の共和党有力候補)ワールドと安倍政権の類似

2015-05-25 22:02:45 | 防衛

最近、ジェブ・ブッシュ氏がインタビューで、イラク侵攻について、今知りえている事を当時知っていたら「支持したか?」と問われて、「支持しただろう」と答えたという。現在世界中で「間違っていた」といわれているのに驚くべき事だ。。しかし、さらにその後、発言を取り消そうとして「過去にさかのぼる事は、従軍した人々に対してひどい仕打ちだ」と述べたという。この表現に注意したい。これについてクルーグマン氏は、「ジェブ氏は、イラク侵攻時の最高司令官ジョージ・ブッシュ米大統領へのいかなる批判についても、代償を払った人々の勇気と愛国心に対する攻撃であると見せかけている」という。日本政府もイラク侵攻に関して、「誤りであった」とこれまで認めていない。ところでジェブ氏とよく似た表現を安倍政権はよく使っている。靖国神社への参拝を当然とする理由として、「国のために尊い命をささげた英霊に尊崇の念を表す」ためと。しかし、この表現はクルーグマン氏の言うように、「アジア太平洋戦争」は「侵略戦争」であるとする国民の批判をかわすために作られた「ゴマカシ」と解釈するのが正しいのではないか。
ジェブ氏は、外交政策上の上級顧問リストや大きな影響を与えているエコノミスト・リストを発表したが、彼らすべてがイラク侵攻や経済政策で誤った判断をしてきた人たちだ。クルーグマン氏は、「ブッシュ・ワールド」では「誤った判断」が必須の資格証明である、という。また、経験から学ぶ事を拒否する姿勢や極めて重要な問題で誤った人だけが受け入れられるような類の政治的公正が、最近の共和党に浸透している。そのため時の正統派の考えにただ疑問の声をあげただけで破門され、返り咲く事はまったくない。だから勝ち残っている「専門家」は、公認の過ちを犯した人たちばかり。すべてを過ち、それを認めないという共通の過去によって結びつけられた人たちだ、という。
現在、日本国内で、これと同様の体質を持つ政治経済勢力が「安倍政権」「安倍ワールド」だと言ってよいのではないか。

(2015年5月25日投稿)

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