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安倍自公政権の中国軍拡脅威論は欺瞞、世論操作が目的:軍事費比較(米・中・日・独)SIPRIデータ、IMF統計

2023-07-30 12:53:41 | 防衛

 安倍自公政権は、国民に対する安保法制強行採決の「口実」として「わが国を取り巻く情勢の変化」「中国の台頭、軍事拡張」「中国脅威論」などをあげ、それを国民に煽り日本経済の戦争経済化をめざしている。それに対して中国は2014年9月3日に習近平国家主席が、2020年までに人民解放軍230万人のうち30万人を減らす事を「宣言」している。安倍政権はこの「宣言」に真摯に応えるべきであろう。また、主権者国民に対し、誤った情報を提供し、世論操作をする事により防衛費増大の目的を達成しようとする事を断じて許す事はできない。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の「米中日独4カ国の軍事費」データによると、その増減は1990年を100とした場合、2014年では米国は約2倍、中国は約21倍、日本は1.8倍、ドイツは1.1倍となっている。

 ちなみに世界の国々で軍事費を多い順でみると2014年では、米国6099(単位億米ドル)、中国2164、ロシア845、サウジアラビア808、フランス623、英国605、インド500、ドイツ465、そして日本が9位で458となっている。韓国は10位。

 同じデータによって「一人当たり軍事費」をみると、1990年に、米国1227(単位米ドル)、中国9日本202、ドイツ533であったが、2014年では米国1891、中国155日本360、ドイツ562となっており、中国は日本の半分以下である。

 IMF(国際通貨基金)統計で米中日独4カ国の名目GDP(国内総生産)をみると、1990年では、米国5980(単位10億米ドル)、中国404日本3104、ドイツ1591であったが、2014年では米国17419、中国10380日本4616、ドイツ3860。1990年を100とした場合、2014年では米国291(2.9倍)、中国2566(約26倍)、日本149(1.5倍)、ドイツ243(2.4倍)。

 中国はGDPは26倍となり、軍事費は21倍となった事がわかる。GDPが増加しているためその中で軍事費が増加しているのであり、軍事費だけが突出しているのではないのであるから、安倍自公政権の「中国軍拡脅威論」のように大騒ぎをする事ではないのである。

 IMF統計で「一人当たり名目GDP」をみると、1990年に、米国23914(単位米ドル)、中国354、日本25140、ドイツ20056であったが、2014年では、米国54597(2.28倍)、中国7589(21.45倍)、日本36332(1.45倍)、ドイツ47590(2.37倍)。

 2014年の米国を100とした場合、中国は13.9、日本66.5、ドイツ87.2となっている。中国は世界第2位のGDP大国となったと言われているが、一人当たりでみれば「発展途上」にある国という事になる。

 GDP(IMF)に占める軍事費(SIPRI)の割合(%)をみると、1990年に、米国5.12、中国2.53、日本0.80、ドイツ2.66であったが、2014年では米国3.50、中国2.08、日本0.99、ドイツ1.20となっている。また90年から2014年までの間の平均は、米国3.86、中国2.02、日本0.95、ドイツ1.51となっており、日本だけが増加しているのである。

(2016年4月18日投稿)

  

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敵基地攻撃戦略は戦前思考様式の焼き直し、傲慢な独善的被害者意識の正当化

2023-05-19 22:34:54 | 防衛

 岸田文雄自公内閣敵基地攻撃戦略神聖天皇主権大日本帝国政府の思考様式の焼き直しである。そこには常に非科学的で偏狭な、相手に責任を押し付け自己の傲慢で独善的な被害者意識を正当化する思考様式が根ざしている。その証明として以下に1941年12月8日に発した「対英米宣戦布告(宣戦の大詔)」の内容を紹介しよう。

天佑(神々の加護)を保有し万世一系の皇祚を践める大日本帝国天皇は昭(あきらか)に忠誠勇武なる汝有衆に示す 朕茲に米国及英国に対して戦いを宣す 朕が陸海将兵は全力を奮って交戦に従事し、朕が百僚有司は励精職務を奉行し 朕が衆庶は各々其の本分を尽し 億兆一心国家の総力を挙げて征戦の目的を達成する事に遺算なからむ事を期せよ そもそも東亜の安定を確保し以て世界の平和に寄与するは丕顕(大いに明らか)なる皇祖(明治天皇)考丕承なる皇考(天皇の父、大正天皇)の作術せる遠猷(先々までの謀)にして 朕が眷々措かざる所 而して列国との交誼を篤くし万邦共栄の楽を共にするはこれまた帝国が常に国交の要義と為す所なり 今や不幸にして米英両国と釁端(近端。不和の糸口)を開くに至る 誠に已むを得ざるものあり豈朕が志ならんや 中華民国政府先に帝国の真意を解せず濫りに事を構えて東亜の平和を撹乱し 遂に帝国をして干戈を執るに至らしめ 茲に四年有余を経たり 幸いに国民政府更新(神聖天皇主権大日本帝国政府の傀儡政権、汪兆銘南京政府)するあり 帝国は之と善隣の誼を結び相提携するに至れるも重慶に残存する政権(蒋介石政権)は米英の庇護支援を頼みて兄弟尚未だ争う事を止めない 米英両国は残存政権を支援して東亜の禍乱を助長 平和の美名に隠れて東洋制覇の非望を逞しうせんとす あまつさえ国を誘い帝国の周辺において武備を増強して我に挑戦 更に帝国の平和的通商にあらゆる妨害を与え遂に経済断行を敢えてして帝国の生存に重大なる脅威を加え 朕は政府をして事態を平和の裡に回復せしめんとし 隠忍久しきにわたりたるも 彼は毫も交譲の精神なく徒に時局の解決を遷延せしめてこの間却って益々経済上軍事上の脅威を増大し 以て我を屈従せしめんとす 斯くの如くにして推移せんが東亜の安定に関する帝国積年の努力は悉く水泡に帰し 帝国の存立又正に危殆に瀕せり 事既にここに至る 帝国は今や自存自衛のため決然起って一切の障礙を破砕するの外なきなり 皇祖皇宗の神霊上にあり 朕は汝有衆の忠誠勇武を信頼し 祖宗の遺業を広め速やかに禍根を取り除き東亜永遠の平和を確立し以て帝国の光栄を保全せしむことを期す   

 御名御璽

  昭和十六年十二月八日

                各国務大臣副署」

 岸田自公政権の主張する敵基地攻撃能力の保有は、「奇襲攻撃能力の保有」と同義語の結果を導くと考えてよい戦略である。つまり、「奇襲攻撃戦略」は、宣戦布告前の攻撃を指すが、この戦略は、日清・日露戦争からの神聖天皇主権大日本帝国政府軍の「常套戦略」であった。また、対英米戦いわゆる太平洋戦争開始(ハワイ真珠湾攻撃、マレー半島上陸攻撃)においても同様であった(英国に対してはまったく事前の通告をしなかった)事は、世界の周知の事実である。

 神聖天皇主権大日本帝国政府は、1911(明治44)年に国際条約「開戦に関する条約」を批准しているが、その第1条には「締約国は理由を附したる開戦宣言の形式又は条件付開戦宣言を含む最後通牒の形式を有する明瞭且事前の通告なくして其の相互間に戦争を開始すべからざることを承諾す」とされていた。満州事変以後の中華民国への侵略も「事変」という用語の使用(宣戦布告によって米国が中立法〈交戦国への武器・戦略物資の輸出を禁止した法律〉を日中戦争に適用し、米国から軍需物資の供給を受けられなくなる事を怖れたから)によりその実態を欺瞞した、この条約に違反した攻撃であった。

(2023年1月8日投稿) 

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敵基地攻撃能力保有は戦前的価値観(日露戦争に対する外務大臣小村寿太郎意見書にも)

2023-05-16 09:09:05 | 防衛

 小村寿太郎は、日露戦争後の米国ポーツマスでの講和会議(1905年8月10日~9月5日)において首席全権をつとめた第一次桂太郎内閣外務大臣である。

 神聖天皇主権大日本帝国第一次桂太郎内閣(1901年6月2日~1905年12月21日)は、なぜ、ロシアとの戦争(日露戦争)に踏み切ったのか?当時、日本そのものがロシアに攻撃される危険性はなかったにもかかわらず。その理由は、以下に示す1903年の小村寿太郎外務大臣の「意見書」が象徴的に表している。

大韓帝国はちょうど鋭い刃物のように大陸から日本の中心部に向かって突き出している半島であり、その先端は対馬とほんの少ししか離れていない。もし他の強国がこの半島を占領するようになったら、日本の安全が脅かされる。日本はこのような事を決して認められない。これを予防する事は日本の昔からの政策だ」

 つまり、小村はロシアが「大韓帝国」を占領したら大日本帝国が危ない。だから、その前に「大韓帝国」を支配しなければならないと考えていたという事である。

 そして、神聖天皇主権大日本帝国第一次桂太郎内閣は、1904年2月の「日韓議定書」締結についで、日露戦争中の1904年5月、閣議において、「日本は大韓帝国に対して、政治上・軍事上、保護の実権をおさめ、経済上、ますます利権の発展をはかる。」事を決定した。同年8月には第1次日韓協約締結に成功しその侵略行為を強めていった。

(2023年2月7日投稿)

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林芳正外相は自公政権の「人の支配に近い法治主義」を「法の支配」と欺いている

2023-01-12 22:39:52 | 防衛

 林芳正外相は、2023年1月9日午後(日本時間10日未明)、ブラジルの首都ブラジリアで、同国の外交官らに向けて講演した。

 「我々は今、歴史の岐路に立っている。自由、民主主義、人権といった基本的価値を守るため、『法の支配でつながる連帯の輪』を広げていく事は、未来世代に向けた我々の責務だ」と訴えたという。

 現在の日本国は、安倍晋三首相以来の自公政権が、その独裁的政治姿勢政治政策をもって、憲法に定められた基本的人権の尊重、国民主権、平和主義などの原則を蹂躙し、民主的な憲法形骸化してしまった状態にある。

 林氏は、日本国をそのような状態に破壊し変質させてしまった加害者の一員でありながら、まったくそれとは正反対のさも憲法尊重擁護者であるかのような発言をしている偽善者である。

 つまり、「法の支配」とは、「人権を保障する法」に統治者も拘束され、法の目的と限界の下で「権力は行使」されるという原則である。しかし、岸田自公政権も安倍氏と同様であるが、「法治主義」という政治姿勢であり、「法に基づく支配統治」「(成立の経緯内容に憲法上問題があろうと)法を根拠に(政権の都合により恣意的に解釈変更をしたり、拡大解釈をしたりして国民を)支配統治する」というもので、「法の内容」よりも、支配統治の形式を重視するものであると言ってよい。つまり、「人の支配」と言ってもよいレベルの、恣意的な「法治主義」である。

(2023年1月12日投稿)

 

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ロシアのイージス・アショア批判に対する岩屋防衛相の反論は、安倍自公政権には核兵器廃絶の橋渡しはできない事を暴露した。戦後の自民党の核戦略を改める覚悟は持ち合わせず悪魔の遊戯に浸り込むもの

2022-09-04 21:52:49 | 防衛

 2018年11月中旬に、安倍自公政権が主催する「賢人会議」の第3回会合が長崎市であった際、田上富久・長崎市長が「原子雲の下にいた人間がどうなったか、そこを踏まえて安全保障を議論してもらいたい」と期待し、被爆者やNGOが有識者との面会では「橋渡しはただ傍観する事ではない」との発言もしていた。

 しかし、安倍自公政権の偽善者ぶりが改めて明白となった。それは2019年2月8日の岩屋毅防衛相の会見の言葉である。岩屋氏は、安倍自公政権が導入を決めた陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反すると批判した事に対して反論したのであるが、それが「我が国はINF全廃条約の参加国ではないので、条約違反にはあたらない」と述べたからである。おまけに「巡航ミサイルに対処する能力を加える事ができるが、今の段階では考えていない。あくまでも弾道ミサイル対処で導入しようと思っている」と付け加えたのである。

 INF全廃条約の参加国ではないから、何をしても違反にはならないから何をしても構わないのだからその気になれば何でも(核搭載も)するぞと反論しているのである。また、巡航ミサイルを導入し、専守防衛ではなく、攻撃を目的とする事もその気になればいつでも出来るのだぞと脅しとも受け取れる反論をしているのである。

 安倍自公政権の宣う「積極的平和主義」の意味をいよいよ益々自ら明らかにする言葉であり、本来の平和主義とは「正反対」の姿勢であり、彼らの常套手段である、主権者国民を欺瞞する言葉(言い換え、美化)以外の何でもない。これも神聖天皇主権大日本帝国政府の国民支配の手法としては当たり前に行っていた事である事を再確認しておこう。

(2019年2月25日投稿)

 

 

 

 

 

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