2019年4月1日、菅官房長官が新元号「令和」を発表し、安倍首相が談話を述べた。「令和」の出典は「万葉集」巻五、梅花の歌32首併せて并せて序、の
「初春令月、気淑風和」であるとし、書き下し分は「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」との事である。
ところで、万葉集よりも古い中国の古典詩文集「文選」のなかの、張衡の「帰田譜」にその元となった言葉が存在する事はよく知られている。それは、
「仲春令月、時和気清」であり、「仲春の令月、時和して気清し」と書き下すが、これを見れば、上記の「序」は、「帰田譜」の模倣したものである事は明白であり、いわゆる「パクリ」であると見做してほぼ間違いない。
また、「令和」という「熟語」だけを考えれば、「和せしむ」と読むべきで、「仲良くする事を命じる」「仲良くさせる」という意味と理解すべきである。「令和」という言葉は、現行憲法の定める国民主権を否定し、それに代えて天皇主権への回帰をめざす意思を主張していると考えられる。それは、安倍首相が、「元号は皇室の、長い伝統と、国家の安泰と国民の幸福への深い願いとともに千四百年近くにわたる我が国の歴史を紡いできました」という談話ににじませているのを見ても明白である。
そして、安倍首相は、安倍自公政権は、この「令和」を新天皇の呼称とするという事を主権者国民に表明したという事である。
元号法は、「政令で定める」としているだけで、この言葉の意味は、国民主権の原則からすれば、国民が定めるもの、と解釈するのが妥当である。(主権者国民はそのように解釈し自民党の狙いを粉砕すれば良いのである。将来廃止すれば良いのである)しかし、天皇家も、宮内庁も安倍自公政権(行政権)も、国会議員(立法権)も、裁判所(司法権)も、そのような解釈をしていない、しようとしていない。安倍首相、菅官房長官は、新元号を国民に発表する前に、宮内庁長官に伝え、長官が天皇、皇太子に伝えてもいる。これは法律を自己に都合よく曲解するもので、「憲法違反」そのものであり、国民主権を蹂躙した、安倍自公政権による政治がいかに独善的で異常なものであるかを表している。