安倍氏の主張は、
「政権が推進するアベノミクスはまず、『大胆な金融緩和』と『機動的な財政支出』により企業にお金が行き渡るようにする。企業が儲かれば、設備投資や賃上げで他の企業や家庭にもお金が流れ、消費が改善して企業の業績はますます良くなる、という『好循環』を描く。今は『道半ば』だが、この路線をさらに推し進めれば成長軌道に戻れる」(朝日新聞より)と言うものだ。
安倍政権が「アベノミクスは決して失敗していない」と主張している。それはなぜか。大企業に儲けさせる事を目的としていたからだ。そして想定通り株高となり確かに大企業や富裕層が儲けたからだ。その点で正しいと言える。
しかし、それに該当しない中小企業やその従業者など国民から見れば、安倍政権はトリクルダウン効果を主張し期待させたが、その効果は表れていない。それはなぜか。安倍政権は中小企業を儲けさせる事を考えていなかったからだという事に尽きる。また、安倍政権は、大企業が儲かれば、設備投資や賃上げで中小企業や家庭にもお金が流れると主張していた。しかし、大企業は世界経済の先行きに不安を感じているために、経営の維持拡大のために内部留保を進めた。そのため、下請けの中小企業(全企業の99.7%)は賃上げできるような収益を得る事が不可能となり、賃上げよりも経営維持企業存続が重大な優先課題となり、従業員の賃上げに応じられないだけでなく逆に酷使せざるを得ない状態に置かざるを得なくなり、賃金を実質的に下げる結果を招いているのである。このような状況下で、全労働者の70%を占める中小企業従業者の家庭では消費も抑制して色々な面で工夫をして食いつないでいる状態である。だから、アベノミクスは国民の多くを占める中小企業従業者や家庭にとっては、安倍政権が主張するような期待できるものではなく(つまり、安倍政権は大ウソをついた詐欺師集団)政策実施以前よりも苦しい生活に陥れられた事になり、失敗、不用以外の何物でもないと言える。安倍政権は、アベノミクス(新自由主義)によって多くの国民の生活を破壊して、大企業と富裕層が自由に富を増殖できるようにしただけなのである。それはアメリカ式の「戦争経済」の構築なのである。また、憲法を作り変えて(憲法草案を新憲法とする)、「国民の命と財産を守る」と訴えている「安保法制」を合法化正当化しようと必死になっているが、それは「戦争経済」で儲けようとする、大企業や富裕者の「命と財産」を守る事が本来の目的なのである。その他の多くの国民にはそれとは反対に大企業や富裕者のために「命と財産」の提供を求めているのである。
安倍首相は、「アベノミクスは道半ば、さらに推進すれば成長路線に戻れる」と主張しているが、これは「経済成長こそが幸福の湧き出る源泉である」と信じている多く?の国民にさらに幻想を振りまき騙し続けるためのものである。そして「税金」を国民のために使わず一部の人たちだけが儲かるように使ってきたのでありこれからも使おうとしているのである。戦争経済の成長戦略で儲かるのは大企業と富裕層とその代弁者である安倍政権ファミリーだけなのであるが、それ以外の人々(多くの国民)には税金を使いたくないのである。税金を私物化し権力を私物化し、国家を私物化しているのである。その反対に彼らは多くの国民を「自分たちが自由に使える人的資源」に過ぎないとしか見なしていないのである。その事が色々な発言に表れているのではないだろうか。直近では麻生発言、森発言などに。このアベノミクスで現在苦しめられている多くの国民は、アベノミクスの「大ウソ」に気づこう。安倍政権の詐欺師体質を見抜こう。多くの国民は安倍政権の主張する「ウソの成長戦略」「時代遅れの経済成長神話」に背を向けよう。「消費を煽り、経済成長が幸福を招くという幻想」から脱却し、「消費を価値あるものとみない生活」を目指そう。自民党政権が扇動して始まった「使い捨て文化」をやめよう。「消費増税分」の詐欺的手法(ウソ)による使途を暴露し正しく使わせよう。
有権者よ国民よ、「バスに乗り間違えるな」。一台は自公政権や「おおさか維新の会」などが運転する「アベノミクス号」で「政府(行政)主権行き」、切符は「自民党憲法改正草案」。もう一台は「共闘野党」が運転する「護憲号」で「国民主権、基本的人権の尊重、戦争放棄平和主義行き」、切符は「日本国憲法」だ。「護憲号」に乗るチャンスは7月10日で「参院選投票所駅」、乗客が少ない場合はその便を最後に廃止され「アベノミクス号」のみの運行になる見込みだ。
「オタク」の君も、政治が難しいと避けている君も、政治に無関心な君も、政治とは関係なく好きに生きていけると思っている君も、自分の生活が安倍政権とは何の関係ないと思っている君も、政治は誰が政権を取ろうと変わらないと思っている君も、金さえあれば政治に関わりなく生きていけると思っている君も、それは、間違っている。それは君がそう思い込んでいるだけの事で、事実を認めないだけだ。太陽が地球の周りをまわっていると思い込んでいるだけの事で、地球が太陽の周りをまわっている事を認めないのと同じだ。
「私たちが政治から逃げたつもりでいても、政治は私たちを絶対に逃がしはしないものなのです。それは明治からアジア太平洋戦争の敗戦までの日本の歴史を見るだけで分かるでしょう。自分は自分で守る意志と行動を持たなければならない。そして次に意志を同じくする人とお互いを守るために行動しなければなりません」
(2016年7月8日投稿)