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保安院の大罪(26) 古賀・長谷川による批判  文科系

2011年07月23日 09時52分16秒 | 国内政治・経済・社会問題
 以下は、「現代ビジネス」サイトから。今有名な古賀茂明と長谷川幸洋の対談から抜粋して取りました。自民党、官僚、経産省・保安院への批判は、極めて明快です。手前味噌ながらここで書いてきたことと同じ。
 以下の全てが、僕たち国民が正に目を懲らしてみていないといけないことだと思います。こういう信賞必罰が成されるとは到底考えられないのが、特に官僚たちの悪辣さ、文字通り「無責任な」不公正さなんだと思います。

【 古賀: もう一つ、大事なことを経産省は忘れています。今回の問題は技術の問題だけではありません。人と組織の問題なんです。事故が起きたことやその後の対応を巡り、政府も信用できないし、東電も信用できないと国民は皆思ってるでしょう。それなのに、東電を塩漬けにして、政府の有り方も同じままで、「心を入れ替えて頑張ります。信じてください」と言われたって、信用できませんよね。
 今まで原発を推進してきたのは自民党と官僚。その仕組みで失敗したわけです。ですから民主党政権は、正直に「とんでもない間違いを犯してしまった。だからケジメをつけたい」とまず言わなくてはいけない。
「どうせ経産省も電力会社も癒着しているのでしょ」と国民は思っているのですから。
癒着の一つの象徴が天下りです。だから、電力会社に天下りしている役職員については、経産相が直接各社長に退職させるよう要請しないといけません。また、保安院の幹部や経産省の幹部で原発に携わっていた人たちは、現在のポジションから引かせ、若手を抜擢して改革する体制を作るべきでしょう。
 保安院の幹部や経産省の幹部といったって、もともと原発の素人だったわけですから人員を変えても問題ありませんよ。大臣が人事改革を実行すれば、大臣は官僚や電力会社と一体ではなく、官僚と政治の間には仕切りや緊張感があり大臣が官僚をコントロールしてると国民も実感できると思うんです。

経産省の「最終防衛ライン」
長谷川: 保安院は経産省から分離すると言われていますが、私は少し疑っています。保安院の切り離しは事故直後から指摘されていましたが、ようやく認めたのはIAEAの報告の中でなんですよ。
 本来なら、政府の組織改革に関わるような政策方針の変更は、まず国内で記者会見を開いて、大臣や総理が会見して発表するべきなんです。つまり、IAEAをさすがにだませないし、もっともらしい改革をやっているフリをしないといけないから、事後的に「保安院切り離し」を唱えたと考えることができます。少なくとも経産省は切り離しに対して反対姿勢だということは明らかですよ。
 内閣改造で、細野豪志氏が原発担当相になりましたが、海江田さんは依然として経産相のまま。原発対応のために、たとえば細野大臣が自分の方針を決めて動かさそうとしても、海江田は法律の改革や政令については自分がやると言っている。つまり、経産相が所管する法律や予算は一切、細野氏には触らせないといっているわけですよ。
 海江田大臣がもし改革派に立つならば、お手並み拝見ということになるわけですが、もしも海江田が経産省の役人から羽交い絞めに合っているのだとすれば、物事はいっこうに進まないでしょう。

古賀:  海江田大臣には頑張っていただきたいのですが、おそらく経産省が保安院の切り離しについて、キッパリ宣言しないのは、なるべく高く売りたいという思惑があるのだと思うんです。
 さすがにこれだけの問題があって、引き続き今までの体制でやるというのは国民から考えて許されないですから、最終的には分離の覚悟はできていると思います。
 ただ、経産省官僚が考えているのは、それで終わりだということです。それ以上踏み込ませないためには、最初に保安院分離というカード切ってしまうと、世間が「それだけで本当に良いのか」という風潮になったときに、本当に困った問題に突っ込まれると経産省の解体になりかねない。ですから、そうならないようにするために、ギリギリまで粘って最後の最後についに保安院を分離し、「よく決断した!」という論調に世間が傾くようにしたいのです。

長谷川: 官僚は「防御ラインをどこに引くか」という発想が常にあって、最初のうちは出来るだけ本丸から遠いところに防御ラインを引く。そして、危険が身近に迫ってくると、最終的に本丸の手前で落としどころを見つけるということですね。そうすると本丸はそのまま守られることになる。

古賀: 保安院のもともとの成り立ちについて説明しましょう。以前、日本中に鉱山があった頃、経産省に鉱山を保安監督するという組織があったのですが、次第に鉱山がなくなり組織存続の危機に瀕していました。一方で、その頃原発が拡大化してきたので、合併した、それがいまの保安院のルーツです。リストラすべき人もそこで救われたんです。
 そのように保安院は、経産省から見るとそれほど花形の部署というわけではないんです。ですから、そこは切られても仕方ないとは、早い段階で考えていたと思うのです。しかし、それ以上侵食されたら大変だと考えているでしょう。】

 今評判の本「日本中枢の崩壊」(古賀茂明著)を昨日買ってきて、5分の2ほど読みました。近く要約紹介したいと目論んでいますので、ご期待下さい。それにしても、中日新聞・東京新聞論説副主幹・長谷川幸洋氏の「経産官僚との闘い」の経過報告の何と痛快だったこと! このニュースは、当シリーズの(10)(11)「罪に罪を重ねる」に要約してあります。それぞれ、6月18、19日に掲載。右欄外上のカレンダー下「前月」をクリックすると、カレンダーが6月分にかわりますから、各18,19日をクリックすればその日のエントリーが全部出ます。

 なお、この2回分(24)(25)は、昨日夜までで他のブログなどにそのまま紹介された延べ件数が36にのぼりました。「Jワード検索」によるものです。僕のはこんな長文ばかりですが、見ている人は見ているのですね。嬉しかったです。政治記事は多くの人に読んで貰ってこそ意味があるので。
コメント (4)
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