集団的自衛権 閣議決定1年 世論の支持 7ポイント減少(15.7.1 中日新聞)
安倍政権が、武力で他国を守る集団的自衛権の行使を閣議決定で容認してから一日で一年になる。安倍晋三首相は一年前、歴代内閣が憲法上許されないと解釈してきた行使の解禁について「丁寧に説明を行い、国民の理解を得る努力を続けていく」と訴えたが、世論調査での賛成意見は縮小傾向にある。
衆院で審議中の安全保障関連法案は一年前の閣議決定に基き作成された。共同通信が昨年七月と今年六月にそれぞれ実施した世論調査の結果を比べると、集団的自衛権行使容認(安保法案)への「反対」はいずれも過半数を占め、一年間で約4ポイント増えた。「賛成」は7ポイント近く減少。一年間で集団的自衛権の行使容認への疑問が拡大していることが裏付けられた。
首相は一年前、「戦争に巻き込まれるという誤解がある」と力説。当事の世論調査では「戦争に巻き込まれる可能性が高まる」「どちらかといえば高まる」との回答は計61・2%だったが、今年六月の調査では「戦争に巻き込まれるリスクは高くなる」が71・3%と拡大した。
また、首相は昨年七月に「憲法解釈の基本的な考え方は何ら変わらない」と訴えた。これに対し、今年六月の調査では56・7%が安保法案について「憲法違反」と回答。理解はまったく進んでいない。
こうした状況について、中谷元・防衛相は三十日の記者会見で「安全保障環境の変化が理解されるよう、さらに説明を続けていきたい」と強調した。菅義偉官房長官は「与党として所属国会議員が車座の座談会や街頭で安全法制、閣議決定について説明していく努力を積み重ねていくことが大切だ」と述べた。
□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
6月の憲法審査会で3人の参考人全員が政府が国会に提出した安保関連法案は「憲法違反である」という見解を表明し、“潮目が変わった”と言われるようになったこともあって、自民党の安倍首相に近い議員たちがあせって、「勉強会」と証して首相を応援しようとしました。世論調査で国民の過半数が法案に反対しているのはマスコミが法案の問題点などを指摘しているからだと、マスコミ報道に規制を加えるべきだと発言したことがかえって世論の批判を呼び、安保法案の国会審議にも悪い影響が出るといわれています。
マスコミ規制発言を党から厳重注意されたのに大西英男議員は再び「マスコミは『戦争に導く』『徴兵制になる』などと報道している」と云いました。「戦争に導く」「徴兵制」ということは野党が国会審議の中で問題にしたのをマスコミが事実として報じたものですが、その区別もできないで、「マスコミがそのような主張をしている。懲らしめなければならない」と民主主義ということも理解できない国会議員が自民党の中にいるのですね。
世論調査に現れたように、集団的自衛権の行使には憲法違反の疑念を持つ国民が過半数を占め、集団的自衛権の行使を容認する安保法案に反対が広がっていることを政府は率直に認め、民意を尊重する政治を行うべきです。法案は撤回すべきです。
大西 五郎
安倍政権が、武力で他国を守る集団的自衛権の行使を閣議決定で容認してから一日で一年になる。安倍晋三首相は一年前、歴代内閣が憲法上許されないと解釈してきた行使の解禁について「丁寧に説明を行い、国民の理解を得る努力を続けていく」と訴えたが、世論調査での賛成意見は縮小傾向にある。
衆院で審議中の安全保障関連法案は一年前の閣議決定に基き作成された。共同通信が昨年七月と今年六月にそれぞれ実施した世論調査の結果を比べると、集団的自衛権行使容認(安保法案)への「反対」はいずれも過半数を占め、一年間で約4ポイント増えた。「賛成」は7ポイント近く減少。一年間で集団的自衛権の行使容認への疑問が拡大していることが裏付けられた。
首相は一年前、「戦争に巻き込まれるという誤解がある」と力説。当事の世論調査では「戦争に巻き込まれる可能性が高まる」「どちらかといえば高まる」との回答は計61・2%だったが、今年六月の調査では「戦争に巻き込まれるリスクは高くなる」が71・3%と拡大した。
また、首相は昨年七月に「憲法解釈の基本的な考え方は何ら変わらない」と訴えた。これに対し、今年六月の調査では56・7%が安保法案について「憲法違反」と回答。理解はまったく進んでいない。
こうした状況について、中谷元・防衛相は三十日の記者会見で「安全保障環境の変化が理解されるよう、さらに説明を続けていきたい」と強調した。菅義偉官房長官は「与党として所属国会議員が車座の座談会や街頭で安全法制、閣議決定について説明していく努力を積み重ねていくことが大切だ」と述べた。
□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
6月の憲法審査会で3人の参考人全員が政府が国会に提出した安保関連法案は「憲法違反である」という見解を表明し、“潮目が変わった”と言われるようになったこともあって、自民党の安倍首相に近い議員たちがあせって、「勉強会」と証して首相を応援しようとしました。世論調査で国民の過半数が法案に反対しているのはマスコミが法案の問題点などを指摘しているからだと、マスコミ報道に規制を加えるべきだと発言したことがかえって世論の批判を呼び、安保法案の国会審議にも悪い影響が出るといわれています。
マスコミ規制発言を党から厳重注意されたのに大西英男議員は再び「マスコミは『戦争に導く』『徴兵制になる』などと報道している」と云いました。「戦争に導く」「徴兵制」ということは野党が国会審議の中で問題にしたのをマスコミが事実として報じたものですが、その区別もできないで、「マスコミがそのような主張をしている。懲らしめなければならない」と民主主義ということも理解できない国会議員が自民党の中にいるのですね。
世論調査に現れたように、集団的自衛権の行使には憲法違反の疑念を持つ国民が過半数を占め、集団的自衛権の行使を容認する安保法案に反対が広がっていることを政府は率直に認め、民意を尊重する政治を行うべきです。法案は撤回すべきです。
大西 五郎