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書評「プーチン 人間的考察」(6)人脈、贅沢、マッチョ演出、カバエワ  文科系

2015年07月10日 15時36分44秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
①人脈

 ロシアでは何事も「主人と仲間」。これを「屋根」(互いに守り合うという意味でもあるのだろう)とも名付け、政治でもこの義理と人情が法制よりも優先するという。プーチンのその人脈は彼の誕生日に呼ばれる人々とのことで、初めて大統領になった年のその人数が21人。現在は携帯直通者40~50人で、その内訳はこんな風である。まず、KGB時代の同僚など。次いで、レニングラード大・同市役所の周辺。そして、特別なのがこれ、オーゼロ・グループと呼ばれている人々である。オーゼロとは湖のこと、レニングラードから近いフィンランド方面にラドガ湖という湖があるが、そこの協同別荘組合の8人である。レニングラード時代の友人たちらしいが、全員がロシア政府幹部、ロシア鉄道社長などの大実業家、政府系研究者などなどになりおおせている。
 裏切らない限りは仲間を大事にするというのも、プーチンの大きな特徴である。ただ、これらの人々のなかから、自ら辞表を出して仲間を抜けていった人々もいるということだ。さもありなんと思うばかりである。

②贅沢

 先ずプーチンの財産だが、400~500億ドルと推定されている。石油株200億ドル、ガス関連株130億ドルなどと目に見えたものがあるのだから、わりとはっきりしているようだ。それにしても、サウジアラビア国王の財産210億ドルを例にあげて説得するこの金持ちぶりは凄まじい。
 所有邸宅が、エリツィンから譲り受けた12の公邸を含み20か所。58の飛行機とヘリコプター、700台の車に、ヨット4つだそうだ。ちなみに、ロシアのステイタス・シンボルは1にヨット、2が大邸宅、3が飛行機で、4に車と書いてあった。
 朝食を正午に摂り、その後2時間はプールとジムというから、いつ仕事をするのだろうか。ちなみに、夜型人間と紹介してあり、会談するのにメルケル首相でさえかなり待たされたということだ。
 
③「マッチョ・プーチン」の漫画

 常にカメラマンを同行していているのは「マッチョ」演出のためだという。彼のこの癖はもう秘書らも知り抜いていて、先回りした彼らがやるものの方が多いようだ。たとえば、
 同行テレビクルーが突如現れたアムール虎に襲われそうになった。とっさにプーチン、脇の銃をひったくって撃ったと。これは事後談がすっぱ抜かれて、近所の動物園から麻酔で半分眠っている虎があらかじめ放たれていたという話なのである。
「プーチン、5000人のオートバイライダーを引き連れて、黒ずくめハーレー・ダビドソンで先頭に立つ雄姿」という絵も大喧伝された。而してその真相は、こうだと語る。あの400キロのハーレーを彼が操れるわけがないと言いだした人が出た。調査の結果はフルオートマティックで、かつ3輪のハーレーをカナダに特注したのだと。その前輪とプーチンだけを撮したのが件の絵であったというお話である。
 こういうパフォーマンスが選挙にも極めて有効というのも、ロシア的ということか。2012年3期目の大統領選挙得票率は、64%。ただし、人口1000万人の首都モスクワでは、47%だった。シリアとウクライナの「国威発揚行動」が成果を上げたと見えた時期の支持率は、一時86%に跳ね上がったという。シリア問題ではアメリカに抗して欧州を分断して見せたのだし、ウクライナ問題は日本の新聞で騒がれてきた通りの報道、説明をこの著者は行っている。


④カバエワ

 新体操のカバエワを皆さんご存知だろう。04年アテネ五輪の新体操個人総合部門優勝者だ。ロシア社交界の花形セレブにして、プーチン与党の下院議員にもなっている。二人の仲が新聞種になったのが08年4月、年齢差31歳の恋である。その後彼女は未婚の母になっている。09年に男児出産、12年には女児出産。そして、糟糠の妻リュドミーラとは、13年6月に離婚。

(この書評はこれで終わります)
コメント (2)
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