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安保法案への学者たちの声   文科系

2015年07月12日 13時55分02秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 6月11日のここに「憲法曲解賛成法学者の共通点」というエントリー拙稿を載せさせていただいた。内容的にこれに関わって今日12日の中日新聞朝刊は8~9面全部(この2面には通常の広告もないから、文字通り全面この記事で埋まっている!)を使って「安保法案本紙アンケート 憲法学者120人の声」という特集を組んでいるので、これを全国にご紹介したい。
「安保法案は合憲か違憲か」「9条は改正すべきかどうか」などの質問に204名の回答があって、実名公表に同意した120人の意見を要約掲載している。なお、回答者204名のうち「同法案は違憲」が184名(90%)、合憲はたった7名である。「9条を改訂するべきではない」も153人で75%、「改訂するべき」は17人に過ぎなかった。

 これでも近くこの法案を通すというそのおかしさを、改めて憲法学者諸氏の意見でもって指摘してみたい。こういうやり方は理屈も何もない反知性主義であると語った学者もいたが、安倍政権のやり方は数の暴力そのものであると強調したい。

①まず、自衛隊自身が違憲だというもの

『自衛隊は憲法9条二項で保持を禁じている「戦力」に該当し、安保法案は違憲である』(倉持孝司・南山大学教授)
『政治家が憲法を守る気がない点は欧米にはほとんど観られない。憲法より政治を上位に置く思想は近代以前の極めて野蛮な考え方である』(多田一路・立命館大学教授)

②次に、集団的自衛権を日本国憲法から観て違憲とするもの

『従来の政府解釈に言う「自衛」とは日本が武力攻撃を受けた場合の反撃を意味し、それが憲法9条二項の下で自衛隊を合憲とするギリギリの線だ。今回の安保法案は他国への武力攻撃に対して自衛隊が武力行使することを可能にしており、このギリギリの線を踏み越えてしまっている』(本秀紀・名古屋大学教授)
『集団的自衛権行使を認めるなら、9条改正を訴えてそのルールに乗せるのが立憲主義の基本。それを無視して内閣の解釈変更で行うことは姑息で、立憲主義のルールに反する』(阪口正二郎・一橋大学教授)

③日本国憲法理念の強調や、立憲主義の主張として

『わが国は軍事力を行使しないということで国際的信頼を得ており、それが日本の平和的存立につながっている。大量破壊兵器時代の今日にあっては戦争をしない国際関係を構築することが国家存立の基礎であり、わが国の憲法はその点からみて人類史的意義を持つものだと思う』(石崎誠也・新潟大学教授)
『憲法9条二項の徹底した平和主義は極めて先駆的。世界の平和と安全保障をめぐる複雑な状況の下で、「武力なき平和」のコンセプトを明確に打ち出すこの憲法の存在意義は、むしろ高まっている』(水島朝穂・早稲田大学教授)
『安倍政権の憲法に関する一連の態度は、明らかに立憲主義に反しており、憲法上許容できるものではない。安保法案をめぐる今回の論議は、現政権の立憲主義への挑戦、憲法の否定ととらえねばならない』(森保憲・桐蔭横浜大教授)
コメント (13)
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