心からの反省が友好の礎 市民有志が「宣言」首相に提出へ(15.7.27 朝日新聞)
「加害の歴史に向き合う勇気を」。愛知県内で平和運動を続けてきた市民有志が「戦後70年市民宣言」をまとめた。安倍晋三首相の談話を前に、30日、全国の市民団体と連携して首相に提出する。
宣言を作ったのは「戦後70年市民宣言・あいち」。戦没者遺族や被爆者、戦後補償裁判に携わってきた弁護士など44人が呼びかけ人となり、4月から議論を重ねてきた。賛同者は千人を超えた。
「正しい歴史認識に基いた心からの反省、謝罪、賠償が和解と友好の礎」と宣言。安倍首相への緊急要請として、植民地支配と侵略を認めて「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した村山談話を継承するよう求めている。
共同代表の元立教大学特任教授、池住義憲さん(71)は、歴史認識について自らの言葉で語ろうとしない安倍首相の姿勢への「危機感に動かされた」という。「率直に謝罪できない政権が、違憲の指摘がある安保法制に突き進む状況に恐怖を覚えた」
池住さんは、村山談話が出た20年前にも市民による声明に関わった。その時の原動力も危機感だった。1995年6月、衆院で採決された「戦後50年国会決議」は侵略や反省の表現があいまいだった。
「戦後の節目をこんな形で終わらせたくない」。全国の仲間に呼び掛け、侵略を認め、謝罪することを政府に求める声明をまとめ、8月1日、首相官邸に届けた。対応した五十嵐公三官房長官が「限界はあるが、要望は尊重したい」と応じたのを覚えている。
「村山談話にアジアとの和解の可能性を実感し、勇気づけられた。どうしてまた、私たちが宣言を出さなければならなくなったのか。歴史を前に進めたい」
30日、北海道から広島まで同じ問題意識で宣言を出す7団体と共同で首相に提出する。20年前と同じように、官邸への訪問を求めている。
◇
宣言の全文は「市民宣言・あいち」のホームページ(http;//70senngenn.iinna.net)に掲載している。
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市民宣言あいちは村山談話を継承することを求めていますが、安倍首相は戦後70年の総理大臣談話で村山談話の「植民地支配と侵略に痛切な反省とお詫び」を引き継ぐのかどうか明らかにしていません。「戦争の反省」は口にしますが、侵略戦争を行ったことの反省なのか、戦争の仕方が拙くて敗戦に至ったことを反省しているのかわかりません。
そこで市民宣言をまとめた人たちは宣言に付帯して、加害の歴史を正しく認識することや、アジア・太平洋戦争が侵略戦争であったと表明すること。軍事力によらない近隣諸国との友好関係を築く努力をすることなどを安倍首相に緊急要請もしています。そしてホームページを通じて市民宣言と安倍首相への緊急要請への賛同者を募っています。 大西 五郎
「加害の歴史に向き合う勇気を」。愛知県内で平和運動を続けてきた市民有志が「戦後70年市民宣言」をまとめた。安倍晋三首相の談話を前に、30日、全国の市民団体と連携して首相に提出する。
宣言を作ったのは「戦後70年市民宣言・あいち」。戦没者遺族や被爆者、戦後補償裁判に携わってきた弁護士など44人が呼びかけ人となり、4月から議論を重ねてきた。賛同者は千人を超えた。
「正しい歴史認識に基いた心からの反省、謝罪、賠償が和解と友好の礎」と宣言。安倍首相への緊急要請として、植民地支配と侵略を認めて「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した村山談話を継承するよう求めている。
共同代表の元立教大学特任教授、池住義憲さん(71)は、歴史認識について自らの言葉で語ろうとしない安倍首相の姿勢への「危機感に動かされた」という。「率直に謝罪できない政権が、違憲の指摘がある安保法制に突き進む状況に恐怖を覚えた」
池住さんは、村山談話が出た20年前にも市民による声明に関わった。その時の原動力も危機感だった。1995年6月、衆院で採決された「戦後50年国会決議」は侵略や反省の表現があいまいだった。
「戦後の節目をこんな形で終わらせたくない」。全国の仲間に呼び掛け、侵略を認め、謝罪することを政府に求める声明をまとめ、8月1日、首相官邸に届けた。対応した五十嵐公三官房長官が「限界はあるが、要望は尊重したい」と応じたのを覚えている。
「村山談話にアジアとの和解の可能性を実感し、勇気づけられた。どうしてまた、私たちが宣言を出さなければならなくなったのか。歴史を前に進めたい」
30日、北海道から広島まで同じ問題意識で宣言を出す7団体と共同で首相に提出する。20年前と同じように、官邸への訪問を求めている。
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宣言の全文は「市民宣言・あいち」のホームページ(http;//70senngenn.iinna.net)に掲載している。
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市民宣言あいちは村山談話を継承することを求めていますが、安倍首相は戦後70年の総理大臣談話で村山談話の「植民地支配と侵略に痛切な反省とお詫び」を引き継ぐのかどうか明らかにしていません。「戦争の反省」は口にしますが、侵略戦争を行ったことの反省なのか、戦争の仕方が拙くて敗戦に至ったことを反省しているのかわかりません。
そこで市民宣言をまとめた人たちは宣言に付帯して、加害の歴史を正しく認識することや、アジア・太平洋戦争が侵略戦争であったと表明すること。軍事力によらない近隣諸国との友好関係を築く努力をすることなどを安倍首相に緊急要請もしています。そしてホームページを通じて市民宣言と安倍首相への緊急要請への賛同者を募っています。 大西 五郎